奈良クラブ試合サマリー J3第38節
▽J3第38節(サンプロ アルウィン)
奈良クラブ 1―0 松本山雅FC
(57) (54)
▽得点者 【奈】浅川隼人
▽最終順位 5位
15勝11敗12分け、勝ち点57
▽観衆 7022人
【戦評】
前半44分、自陣から森田が右サイドの西田にロングパス。これを受けた西田がクロスボールを送り、ゴール前に詰めていた浅川が頭で押し込んだ。浅川は16ゴール目。得点ランキング2位。
【記者の目】
最後は奈良らしい勝ち方でリーグ戦を締めくくった。鋭いアタックを繰り返す松本山雅の攻撃を奈良は粘り強く跳ね返した。守るだけでなく、奪ったボールをしっかりと前線へつなぎ、ゴールを狙う。決して受け身にはならず、淡々と自陣のゴールマウスを守りながら、チャンスをものにした。
9ケ月前、開幕戦で圧倒された松本山雅にリベンジ。奈良の成長ぶりに、一番驚いたのは松本山雅だろう。
森田の視野の広さがゴールに結びついた。右サイドにいた西田の位置をよく見て、ロングボールでつないだ。スピードのある西田が切れ込んで相手GKと交錯したが、こぼれたボールをもう一度拾ってクロス。これを浅川が合わせた。
この日の森田は相手選手を潰すだけでなく、ボールを前に運ぶ意識があり、次々と局面を打開。攻撃の起点となる鈴木、中島に森田が加わり、さらに両サイドバック、加藤、生駒が加わり、多彩な攻撃となった。選手間の距離、バランスがよく、スペースをうまく使っていた。守備はセンターバックの2人を中心にペナルティーエリアへの侵入をブロックを作ってうまく対応していた。
得点ランキング1位の小松(松本山雅、19ゴール)と得点王を争う同2位の浅川にボールを集め、前半開始早々に中島が縦パスを送り、いきなり浅川のゴールチャンスを演出するなど、浅川に対するチームの思いが伝わった。そして前半44分に、みんなの思いに浅川が見事に応えた。
多彩な攻撃に堅守。攻守にチームは成長し、試合をコントロールできるまでになっている。J3リーグで戦うベースはできた。来季はチーム力の向上、成熟を目指すことになる。(河村)