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口の中に素朴な甘さ 埴輪まんじゅう(橿原市) - 地元の味(7)

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「世界遺産登録を目指す動きと連動して地元を盛り上げたい」と話す林田一真さん=橿原市久米町の橿原オークホテル

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 埴輪(はにわ)をかたどった銘菓として親しまれる「埴輪まんじゅう」。紀元2600年の奉祝事業として橿原神宮外苑整備や紀元節大祭が行われた1940(昭和15)年、畝傍御陵前で誕生した。

 

 その後、歴史的な町並みが残る今井町に拠点が移ったが、後継者がおらず一時途絶えた。「橿原神宮ゆかりのお菓子を守りたい」。2001年から同神宮近くの橿原オークホテルが引き継ぎ製造販売している。

 

 メインの味はこしあん(8個入り・税込み960円など)。きめ細やかで滑らかなあんに、ふんわりとした優しい生地がマッチし、口の中にしっとりとした素朴な甘味が広がる。

 

 畝傍御陵前で売られていた当初はこしあんだったと伝わる。ただ今井町時代に変更があり、同ホテルの林田一真社長(52)は「小さい頃、橿原神宮の参道で売られていたのは白あんだった」と振り返る。

 

 同ホテルで埴輪まんじゅうを復活する際、「子どもたちに喜んでもらえる味に」と原点回帰でこしあんを採用した。ただ白あんを懐かしむ年配客も根強く、現在、白あんは「復刻版」と銘打って製造している。さらに広く好まれるクリームも商品化した。

 

 型は武人と馬、壺(つぼ)、鈴の4種類。「なぜ埴輪にはない鈴がモチーフに~」と突っ込みを入れたくなるが、そこはご愛嬌(あいきょう)。林田さんは「昔からある型なんです」と苦笑する。

 

 観光用の土産物のほか、地域住民にも手土産として愛される埴輪まんじゅう。「結婚式の引き出物として注文があるのもうれしいです」と林田さんは語る。

 

 橿原市や明日香村は「飛鳥・藤原」の世界遺産登録を目指しており、林田さんは地域貢献に意欲を示す。「世界遺産登録の動きと連動して埴輪まんじゅうで地元を盛り上げていければ」と話した。(竹内稔人)

 

 

 

橿原オークホテル

橿原市久米町905の2

営業時間:午前9時〜午後8時

定休日:年中無休

電話:0744(23)2525

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