「○○議員」23、「○○君」17で逆転

　全国ぜんこく47都道府県とどうふけん議会ぎかいの本会議ほんかいぎで議長ぎちょうや副議長ふくぎちょうが議員ぎいんを指名しめいする時とき、23の議会ぎかいが男女だんじょを問とわず「○○議員ぎいん」と呼よんでおり、男女だんじょとも「○○君くん」と呼よぶ17議会ぎかいを上回うわまわっていることが共同通信社きょうどうつうしんしゃの取材しゅざいで分わかりました。残のこりの7議会ぎかいは男性だんせいは「君くん」、女性じょせいは「さん」など性別せいべつにより、呼称こしょうを使つかい分わけています。

　以前いぜんは男女だんじょとも「君くん」を使つかっている議会ぎかいの方ほうが多おおかったのですが、ジェンダー平等びょうどうや男女共同参画だんじょきょうどうさんかくが進すすむ社会しゃかい（※注ちゅう）の状況じょうきょうを受うけて2022年ごろから「議員ぎいん」に呼称こしょうを変更へんこうする議会ぎかいが増ふえ、逆転ぎゃくてんしました。

　2024年2月下旬の時点じてんで、「○○議員ぎいん」と呼よんでいる議会ぎかいは奈良県ならけんをはじめ、青森あおもり、栃木とちぎ、長野ながの、愛知あいち、兵庫ひょうご、愛媛えひめ、長崎ながさきなど。このうち、少すくなくとも富山とやま、京都きょうと、大阪おおさか、高知こうち、沖縄おきなわの5議会ぎかいは22年以降いこうに変更へんこうしています。

奈良県は2001年から「議員」に

　奈良県議会ならけんぎかいの取とり組くみは早はやく、議会ぎかい事務局じむきょくによると「2001年6月から、男女だんじょとも『議員ぎいん』を使つかっている」とのこと。2000年12月に「男女共同参画だんじょきょうどうさんかくを推進すいしんする県けんの条例じょうれいをつくってほしい」という県民けんみんの要望ようぼうについて話はなし合あい、賛成多数さんせいたすうでこの意見いけんに賛同さんどうすることを決きめたことから、県議会けんぎかいの中なかでも男女共同参画だんじょきょうどうさんかくをすすめようと呼よび方かたを変かえたそうです。奈良県ならけん男女共同参画だんじょきょうどうさんかく推進すいしん条例じょうれいは2001年7月1日、全国ぜんこくの都道府県とどうふけんで10番ばん目めにできました。

　「君くん」は国会こっかいでも議員ぎいんを呼よぶ際さいに使つかわれ、男女だんじょを問とわない敬称けいしょうとされますが、一般的いっぱんてきには男性だんせいに使つかわれることが多おおい言葉ことばです。都道府県議会とどうふけんぎかいの本会議ほんかいぎでの議員ぎいんの呼よび方かたを会議かいぎ規則きそくで定さだめた例れいはなく、議長ぎちょうの考かんがえや議員ぎいんからの提案ていあんで、今いままでの習慣しゅうかんを見直みなおす動うごきが進すすんでいます。

　ちなみに東京都とうきょうと品川区議会しながわくぎかいは、2023年11月に議会ぎかいの傍聴ぼうちょうに訪おとずれた小学生しょうがくせいの意見いけんをきっかけに、2024年2月に「君くん」から「議員ぎいん」に変かえました。

※注ちゅう＝だれもが性別せいべつにかかわらず、平等びょうどうに責任せきにんや権利けんり、チャンスを分わかちあい、あらゆる物事ものごとを一緒いっしょに決きめることができる社会しゃかい。