「身近な昔話が聞きたい」の声に応えて

　奈良県(ならけん)大和郡山市やまとこおりやまし北郡山町きたこおりやまちょうのやまと郡山こおりやま城じょうホールで3月下旬げじゅん、図書館としょかんボランティアグループ「郡山こおりやまかみしばい劇場げきじょう」（西山にしやま明美あけみ代表だいひょう）が地元じもとの民話みんわを題材だいざいに制作せいさくした紙芝居かみしばい「天狗てんぐのお告つげ」の原画げんが展てんが開ひらかれました。会場かいじょうでは原画げんがと紙芝居かみしばいの文章ぶんしょうの展示てんじに加くわえ、紙芝居かみしばいの上演じょうえんもあり、子こどもも大人おとなも楽たのしみました。

　紙芝居かみしばい「天狗てんぐのお告つげ」は、次つぎのようなお話はなしをもとに作つくられました。

　讃岐さぬき（現在げんざいの香川県かがわけん）の神社じんじゃの大天狗おおてんぐが神官しんかんの夢枕ゆめまくらに立たち（※注ちゅう）「大和やまとの実相寺じっそうじに行いきたい」と頼たのみます。同おなじ夢ゆめを3日みっか連続れんぞくで見みた神官しんかんは大天狗おおてんぐを担かついで大和やまとへ向むかいました。神官しんかんが実相寺じっそうじへ着つくと住職じゅうしょくも同おなじような夢ゆめを見みたことが分わかり、大天狗おおてんぐは同どう寺じに祭まつられることになりました。

　大和郡山やまとこおりやま市内しないにある実相寺じっそうじには今いまも、天狗てんぐの像ぞうが祭まつられています。

　「郡山こおりやまかみしばい劇場げきじょう」は2002年、同どう市立しりつ図書館としょかんのボランティア養成ようせい講座こうざ修了しゅうりょう生せいが設立せつりつ。すでにある紙芝居かみしばいを同館どうかんなどで上演じょうえんする活動かつどうを続つづけていました。

　オリジナル紙芝居かみしばいに取とり組くむきっかけは、高齢者こうれいしゃのデイサービスで出張しゅっちょう上演じょうえんした時とき、上演じょうえん会かいに参加さんかしたお年寄としよりから「もっと身近みぢかな、郡山こおりやまの昔話むかしばなしが聞ききたい」と言いわれたことだったそうです。

　「郡山こおりやまかみしばい劇場げきじょう」が大和郡山やまとこおりやまの民話みんわをもとに作つくった紙芝居かみしばいは、この「天狗てんぐのお告つげ」で3作さく目め。作つくった紙芝居かみしばいは同どう市内しないの小学校しょうがっこうや幼稚ようち園えん、保育ほいく園えんに寄贈きぞうしており、西山にしやま代表だいひょうは「これからも、地域ちいきに伝つたわるお話はなしを紙芝居かみしばいを通つうじて語かたり継ついでいきたい」と話はなしています。

※注ちゅう＝神仏しんぶつや亡なくなった人ひとなどが夢ゆめの中なかに現あらわれて物事ものごとを告つげ知しらせることを「夢枕ゆめまくらに立たつ」という。

「天狗てんぐのお告つげ」の紙芝居かみしばいの上演じょうえん後ご、紙芝居かみしばいに登場とうじょうする実相寺じっそうじに祭まつられている天狗てんぐの像ぞうや、同どう寺じの仏像ぶつぞうを紹介しょうかいするメンバーら＝3月31日、大和郡山市やまとこおりやまし北郡山町きたこおりやまちょうのやまと郡山こおりやま城じょうホール