公文くもん杯はい第だい49回かい小学生しょうがくせい将棋しょうぎ名人めいじん戦せんの県大会けんたいかい（日本にほん将棋しょうぎ連盟れんめいなど主催しゅさい、奈良なら新聞社しんぶんしゃなど後援こうえん）が1月21日、三郷町さんごうちょう勢野せや西にし1丁目ちょうめの町ちょう文化ぶんかセンターで開ひらかれ、小学しょうがく5年ねんの南敬太君くん＝天理てんり市立しりつ井戸いどう堂どう小しょう＝が初優勝はつゆうしょうしました。南君くんは3月がつ下旬げじゅんに山形県やまがたけん天童てんどう市内しないで開ひらかれる全国大会ぜんこくたいかいに県代表けんだいひょうとして出しゅつ場じょうします。

 

　同どう名人めいじん戦せんは小学生しょうがくせいの全ぜん国こく大たい会かいで、1976年から毎年まいとし開催かいさいしています。全ぜん国こく各地かくちで予選よせんがあり、奈良なら県大会けんたいかいには県内けんないの小学しょうがく1～5年ねん生せいの男女だんじょ24人にんが出場しゅつじょうしました。双方そうほう持もち時間じかん20分ふんとし、予選よせんリーグと決けっ勝しょうトーナメントで対戦たいせん。会場かいじょうには小気味こきみよい駒音こまおとが響ひびきました。

 

　表彰ひょうしょう式しき後ご、南君くんは「2年生ねんせいから優勝ゆうしょうを目指めざしてきましたが、厳きびしい戦たたかいばかりでした。（県大会けんたいかいに出しゅつ場じょうした）みんなの分ぶんも全ぜん国こく大たい会かいで頑張がんばります」と意気込いきごみを語かたりました。

 

　県大会けんたいかいの上位じょうい入賞者にゅうしょうしゃは次つぎの通とおり。（敬称略けいしょうりゃく）

 

　準優勝じゅんゆうしょう＝山内緒人（奈な良ら市し立りつ済せい美び小しょう2）▽3位い＝泉優里子（同どう市し立りつ佐さ保ほ台だい小しょう4）▽4位い＝梶田悠真（桜さくら井い市し立りつ桜さくら井い西にし小しょう5）

 

 

小学生しょうがくせい将棋しょうぎ名人めいじん戦せんの県大会けんたいかいで表彰ひょうしょうを受うけた（右みぎから）梶田君、山内（緒）君、南君、泉さん＝1月21日、三郷町さんごうちょう勢野せや西にし1の町ちょう文化ぶんかセンター

 

 

決勝けっしょう戦せんの対局たいきょくを振ふり返かえる

　南君くんと山内（緒）君くんの対戦たいせんでした。大会たいかい前まえの予想よそうでは、南君くんと山内（毅）君くん＝山内（緒）君くんの兄あに、梶田君くんなどの名前なまえが優勝ゆうしょう候補こうほに挙あがっていました。しかし、山内（毅）君くんが準々じゅんじゅん決勝けっしょうで南君くんに敗やぶれたため、決勝けっしょうは兄あにの思おもいも引ひき継ついだ山内（緒）君くんが南君くんにどこまで迫せまれるかが見所みどころとなりました。

 

　将棋しょうぎは、相居飛車角換あいいびしゃかくがわりの戦法せんぽうでどちらも力ちからいっぱい闘たたかいましたが、中盤ちゅうばん以降いこう、山内（緒）君くんのわずかな失策しっさくを南君くんが見逃みのがさず、そのまま押おし切きりました。また、3位い決定けってい戦せんでは女性じょせいでただ一人ひとり本戦ほんせんトーナメントに進すすんだ泉さんが、決断けつだんの良よい指さし回まわしで勝かち切きりました。

 

 

決勝けっしょう戦せんの対局たいきょく＝同どう

 

 

決勝けっしょう戦せん局面きょくめんのポイント

　奈良県ならけん将棋しょうぎ連盟れんめい結崎ゆうざき支部しぶ　吹田すいた幸弘ゆきひろ副ふく支部しぶ長ちょうの話はなし

 

▼1図ず　3五歩さんごふと先手せんてが仕掛しかけたところ。棒銀ぼうぎん対策たいさくにおける攻防こうぼう兼備けんびの5六角ごろくかくで後手ごての銀ぎんの動うごきを牽制けんせいし、先攻せんこうすることができた。

 

　形勢けいせいはまだまだ互角ごかくでこれからが中盤ちゅうばんの難所なんしょであるが、先手せんてがやや主しゅ導どう権けんを握にぎっている印象いんしょう。

 

▼2図ず　銀ぎんの動うごきでやや立たち後おくれ感かんがあった後手ごてだが、うまく飛車ひしゃの横利よこぎきで落おち着つかせたところ。この一手いって前まえの6四銀ろくよんぎんが銀ぎんの活用かつようを急いそぐ余あまり、先手せんてから3三歩さんさんふ（2図ず）の【焦点しょう　てんの痛打つうだ】を浴あびた。

 

　6四銀ろくよんぎんでは、8六歩はちろくふ～6四角ろくよんかくなど反撃はんげきを見みせれば、まだまだこれからの勝負しょうぶであった。

 

　3三歩さんさんふに対たいして同どう金きんは2二銀ににぎんがあり、同どう桂けいは本譜ほんぷのように3四歩さんよんふで桂けいが取とられる。悪わるいながらも同どう金きんで辛抱しんぼうだったか。

 

▼3図ず　2三角成にさんかくなりとされたところ、ここではすでに苦くるしいが、単たんに同どう金きんではなく2七歩にしちふ～5四角ごよんかくなどとするほうが、まだ少すこしアヤが残のこっていた。角かく金きん交換こうかんで2筋すじを突破とっぱされ、一間龍いっけんりゅうの形かたちを作つくられては受うけきれない。

 

 

棋譜とポイント