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大和路の弘法大師【4】 十輪院(奈良市十輪院町) - 大師造立の石仏龕

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地蔵世界を表現した厨子型の石仏龕=奈良市十輪院町の十輪院

 元興寺旧境内南東の奈良町の一角にある寺院。奈良時代の右大臣吉備真備の長男、朝野宿禰魚養(あさのすくねなかい)の開基とされる。

 

 弘仁年間(810〜23年)に弘法大師が造立したと寺伝に記された石仏龕(せきぶつがん)は、本尊地蔵菩薩、左右に釈迦如来、弥勒菩薩を花崗岩の切り石に浮き彫りで表す。地蔵を祭る厨子としての建造物で周囲には仁王や聖観音、不動明王なども刻まれ極楽往生を願う地蔵世界を表現。人々が地蔵霊場として信仰してきた歴史がうかがえる。

 

 中央の地蔵菩薩は、錫杖を持たず素足の形態のため大師が造立した平安時代のものだと考察されるという。境内には「弘法にも筆の誤り」とうたわれる大師の書の師匠とされる魚養の塚も残る。

 (伊藤波子)

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