歴史文化
新・大和の神々/12 諸鍬神社のおんだ祭(葛城市弁之庄) - ウシ役が田植え所作
葛城市弁之庄にある諸鍬(もろくわ)神社の「おんだ祭」は毎年1月9日に執り行われる。県内のお田植え神事の中でも最も早い時期にある行事の一つだ。
諸鍬神社は新庄藩桑山氏の氏神だった神社。1601(慶長6)年、同藩に入部した初代藩主桑山一晴が、陣屋(屋敷山古墳)の鬼門の方角、弁之庄に同神社を勧請、遷座した。その後、同市北花内の北花内大塚古墳(飯豊天皇埴口丘陵=はにくちのおかのみささぎ)に移設されたが、明治初めごろに現在地に戻った。
「おんだ祭は以前は寒い盛りで、横殴りの雪が降る年も多かった」と話すのは福井良祝宮司(72)。2024年は境内の木々の間から日が差し込み、「何につけても暖かい」としみじみ。「祭りをするには良いが、ただそれが本当に良いのかどうか」と暦と季節のずれが生じている気候変動にやや困惑気味の表情で話した。