歴史文化
大和路の弘法大師【7】 仏隆寺(宇陀市榛原赤埴) - 高弟堅恵が茶を栽培
室生寺の南門と呼ばれ、樹齢900年以上される「千年桜」やヒガンバナで有名な仏隆寺。850(嘉祥3)年、弘法大師の高弟堅恵(けんね)が創建したと伝えられている。
弘法大師が唐の皇帝から授かった茶の種を堅恵に与え、堅恵はこの地に「苔の園」という茶園を造ったとされる。境内には「大和茶発祥伝承地」の石碑が建ち、弘法大師が唐から持ち帰ったという茶臼は現在も寺宝として伝わる。
本堂には本尊十一面観音菩薩像のほか弘法大師像や堅恵像などを安置。本堂のさらに右奥には堅恵の墓とされる平安時代の石室(国重要文化財)もある。境内に立つと、日ごろ身近な存在のお茶の歴史にがぜん興味が湧いてくる。(竹内稔人)