奈良クラブ試合サマリー J3第5節
奈良クラブ 1―1 FC今治
▽得点者 【奈】嫁阪翔太【Y】照山颯人
▽順位 13位
【戦評】
奈良クラブは後半、嫁阪のゴールで同点に持ち込んだ。
FC今治は前半37分、ゴール前の混戦から照山が押し込み先制した。
奈良クラブは後半20分、右サイドを駆け上がった寺村がゴール前へクロスボールを送り、逆サイドから走り込んだ嫁阪が地面に叩きつける豪快なヘディングシュートを決めた。嫁阪は今季初ゴール。
【記者の目】
目の肥えたサッカーファンなら「奈良クラブやるね」と思ったに違いない。チームコンセプトがしっかりしている今治と引き分け。奈良クラブの選手たちは自信深めたことだろう。
前半はボール保持率が高く、今治を圧倒した。中盤で相手選手を囲い込んでボールを奪い、素早くサイドチェンジを繰り返して両サイドから果敢に仕掛けた。シュート5本を放ったが、ゴールには結びつかず、ゴール前の混戦から先制点を許したは残念だった。
しかし、後半は寺村が起点となり、右クロスに途中出場の嫁阪が頭で決めて同点にした。その後は今治に押し込まる展開が続いたが、粘り強い守備で引き分けた。
注目したいのは昨季5位の今治に先制されても慌てず同点に持ち込んだこと。チーム力の向上を実感した。
寺村、嫁阪が好調でチームを引っ張っている。今季初先発のGK岡田は足下のプレーがしっかりしており、GKからボールをつなぐチームスタイルに合致している。味方に当たりコースが変わって不運な失点をしたが、その後はファインセーブを連発してチームを救った。アルナウ、赤塚と奈良クラブには好GKがそろっているのは心強い。
今治は攻守によく整備されたチームで今季2勝3分けと負けなし。安定感が光っている。参考にしたいのは終盤に見せた猛攻。ペナルティーエリアに複数の選手が入り込み厚い攻撃を見せ、凄みを感じさせた。
今季のJ3は大混戦で1位のいわてクルージャー盛岡が勝ち点10。12位の鹿児島ユナイティドが勝ち点7と3ポイント差に12チームがひしめいている。
奈良クラブは勝ち点6で13位。この時期は順位より、負けないことが大切。引き分けの勝ち点1はリーグ戦後半に効いてくる。