奈良クラブ試合サマリー J3第2節
奈良クラブ 1―1 ヴァンラーレ八戸
▽得点者 【奈】浅川隼人【ヴ】前沢甲気
▽順位 16位
【戦評】
奈良クラブは1―1でヴァンラーレ八戸と引き分けた。浅川が奈良クラブのJリーグ初ゴールを記録したが、初勝利はお預けとなった。勝ち点1で16位。
奈良クラブは左サイドが機能した。0―1の後半5分に中盤の左サイドで堀内が激しい当たりでボールを奪取。嫁阪へとつなぎ、ここからゴール前へ早めのクロスボールを送り、右サイドから走りこんだ浅川が押し込み同点とした。
奈良クラブは左サイドを起点に酒井が再三ゴールに迫り、山本が頭でゴールを狙ったが得点には至らず引き分けた。
【記者の目】
勝てる相手に勝ちきれなかった。前節に比べ相手の前線からのプレスが緩く、ボールを保持する時間が増えた。それでも前半は押し込まれる展開が続き、開始早々に失点した。「もったいない」と浅川が評したように、完全に崩された訳ではなく、守備のバランスを欠いての失点だった。
後半は途中出場の左サイドバック・寺島がチーム本来の姿を呼び覚ました。「後ろに下がり過ぎ。もっと前へ出てボールを運ぶ」と決め、果敢に攻め上がりクロスボールを前線に供給。この動きで最終ラインが上がり、中盤との間隔がコンパクトになってボールがよく回り、特に左サイドが活性化。奈良クラブ本来の姿を取り戻した。
前後半合わせてシュート9本。後半は8本と八戸の計6本を上回った。勝ち星がついてこなかったのが不思議なほどだ。
アンカーで先発した堀内がいい動きを見せた。守備力が高く、ボールを奪ってからのパスの質がよく、左右へ長短のパスのさばいた。フリアン監督も「ほぼ完璧にこなした」と高い評価を与えた。途中出場したFWの酒井も動きがよく自身初ゴールも近そうだ。
前節より動きはよくなったが、相手をリスペクトし過ぎて慎重なプレーが目立つ。相手に敬意を払うのは大切なことだが、ピッチの上での戦いは激しくあっていいはずだ。むしろ激しくぶつかる事が相手に対する敬意にほかならない。
「前へ行く勇気」とフリアン監督。最終ラインから果敢に攻め上がりたい。それが奈良クラのスタイルだ。アイデンティーを貫くことで、新加入選手たちも早い時期にチームに馴染んでくるはずだ。