安倍晋三元首相の遺体を乗せたとみられる車が9日午前5時55分ごろ、奈良県橿原市四条町の県立医科大学付属病院を出発した。東京都内の自宅に向かうとみられる。車には8日夕に病院に到着した妻の昭恵さんの姿もあった。

　安倍元首相が搬送された県立医大では、8日午後8時56分に菅義偉前首相、同日午後10時52分には松野博一官房長官がそれぞれ病院から出る姿も見られた。

　一方、安倍氏が銃撃された奈良市の近鉄大和西大寺駅前には、同市が8日夜に献花台を設置。9日も安倍氏の死を悼む人たちが朝から次々と訪れ、献花を待つ人の列ができた。安倍氏が銃撃された場所で手を合わせる人の姿もあった。

　同市の50代と20代の母娘は「言葉にならない。日本でこんなことが起こるとは思っていなかった。日本の宝が失われた」と話した。