特集2024年春の高校野球奈良大会速報

経済

マルエス、坂上常務-コロナに立ち向かう(9)

関連ワード:

地域密着型でペットを販売する店舗=生駒市小明町のマルエスペット ヒルステップ生駒店

 総合ペット販売の「丸エス」(奈良市中町、坂上雅一郎社長)は、「コロナ禍で困難な今こそ」と、新型コロナウイルスに感染した飼い主のペット(犬)を無償で預かるサービスを始めた。恩返しの思いを込めて、飼い主に寄り添う。

 

 昭和44年創業の同社は、奈良、大阪、広島、静岡の各府県でペットショップ「マルエスペット」を計11店舗展開している。犬と猫をはじめ、一部の店舗ではウサギや熱帯魚なども販売。ペット用品も幅広く扱っている。

 

 県内の各店舗には、飼い主の旅行や不在時にペットを預かる「ペットホテル」を併設。宿泊サービスのほか、一時預かりのサービスもある。

 

 丸エスの坂上隆一常務によると、コロナ禍で旅行などの外出機会が減ったことに伴い、ペットホテルの利用も減少。昨年4月の緊急事態宣言時には、利用件数がコロナ禍前と比べ9割近く落ち込んだという。

 

 同じころ、コロナ感染時にペットを預かってくれる施設がなく困っている患者がいるという話を聞き、無償で預かるサービスの実施を検討。必要な情報を集め、社内で有志を募り、昨年5月から県内の店舗でサービスを開始した。

 

 坂上常務は「50年以上営業を続けてこられたのは、支えてくれたお客さまのおかげ。コロナ禍で困難な今こそ、恩返しできれば」とサービスに込めた思いを語る。

 

 県内の各保健所からの引き受け要請も受け入れ、コロナ患者のペットを預かっている。坂上常務は「飼い主が安心して治療に専念できるようにしたい」と強調。東京都獣医師会のガイドラインに沿った感染予防を徹底している。

 

 同社は奈良市小西町でキャットカフェ「心猫(ここね)」も運営。宣言時に店を一時閉めたが、「コロナ禍で疲れた人たちの癒やしにつながれば」と、休業中もSNSで猫の動画や写真を発信した。

 

 「今後も地域密着型で営業していく」と坂上常務。当面はコロナ患者のペットの預かりサービスを継続する考えだ。

 

関連記事

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド