注目記事山下県政 世論調査の全結果掲載

経済

信貴山のどか村、奥田社長-コロナに立ち向かう(17)

関連ワード:

ジャムやジェラートなどの6次化商品と奥田社長=三郷町信貴南畑1の信貴山のどか村

ICT農法や6次化商品 味覚狩りで来園者増へ 信貴山のどか村(三郷町)

 

 

 信貴山上にある農業公園「信貴山のどか村」(三郷町信貴南畑1丁目)。コロナ禍のため、一時は臨時休園を余儀なくされたが、関西では珍しいという「メロン狩り」を新しく始めるなど、来園者増を図ってきた。フードロス削減に向け、6次化商品の開発にも力を入れている。

 

 同園は地域農業の活性化を図るため、約30年前に開園した。「甲子園球場約9個分」(約40ヘクタール)の広々とした園内で、年間40種類以上の野菜・果樹の味覚狩りや、季節の花・木の鑑賞、バーベキューなどが楽しめる。

 

 秋と並び最も来園者が多い春だが、コロナ禍で昨年4月末から5月の連休明けにかけて、臨時休園を余儀なくされた。同園の奥田哲生社長(72)によると、その期間だけで売上は例年の同時期に比べて数千万円減。昨年1年間の来園者も例年の4分の1まで落ち込んだという。

 

 同園は昨年から、近畿大学農学部(奈良市)と県が連携して推進するICT(情報通信技術)農法「なら近大農法」を利用したメロン栽培を始めた。「のどか村天空メロン」と名付け、夏(6月下旬~7月上旬)と秋(11月中旬)の味覚狩りのメニューに加えた。関西ではメロン狩りは珍しいといい、子ども連れらに好評という。

 

 また同園は、フードロス削減に向け、6次化商品(生産、加工、販売を一体化する6次産業による加工品)の開発にも着手。品質に問題はないが形状などから収穫されずに残った農産物をジャムやジェラートなどに加工して、園内で販売している。

 

 また、6次化商品専用のメロン栽培ハウスを建設するためクラウドファンディングで費用を募ったところ、目標額の150万円を達成。園外にも販路を拡大する計画だ。

 

 ICT農法は「作業時間の削減や収穫量の増加、安定」につながるとして、メロンに続き、いちご栽培にも導入したい考え。奥田社長は「来園者に楽しんでもらえるよう、新しい味覚狩りの企画と6次化商品の開発を続けていきたい」と話す。

 

関連記事

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド