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キタイ、喜夛社長-コロナに立ち向かう(5)

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喜夛輝昌社長(左)と智史専務。前に並ぶのはエルゴフィット(左)とエルゴスターのランニング靴下=香芝市高のキタイKDC

 靴下の産地、香芝市にあるスポーツソックスの「キタイ」(同市高)は、創業以来の主力事業であるOEM(他社ブランドの生産)に加え、自社ブランドの強化に取り組んでいる。コロナ禍でOEM事業が影響を受ける中、自社ブランド事業に活路を見いだす。

 

 昭和26年創業の同社は、国内ではミズノ、海外ではアディダスやナイキなど、有名スポーツブランドのスポーツソックスのOEMを手掛けてきた。一方で、海外企業がOEMの発注先を日本より生産コストの安い国外に移す流れが業界全体で強まり、同社はOEMに次ぐ事業の柱として自社ブランドの強化に着手。令和元年11月に高機能ランニング靴下「エルゴスター」を、昨年10月にはフルカスタムオーダーシューズ「エルゴフィット」を発売した。いずれもOEMで培った靴下作りのノウハウが生かされている。

 

 エルゴスターはオリジナルウェブサイトを立ち上げ、アマゾンを通じて販売。エルゴフィットはJR京都伊勢丹と近鉄百貨店上本町店の常設売り場で購入できる。

 

 コロナ禍を受け開発した商品もある。昨年7月に発売したエルゴスターブランドの「ランニングマスク」だ。呼吸が激しくなるランニング中でも息がしやすいように、内側がメッシュ編みとなっている。高い機能性に加え、普段使いもできるシンプルなデザインで、ランナー以外の人にも好評という。

 

 同社の喜夛智史専務(37)は「ランニングマスクがきっかけとなり、ランニング靴下の認知度向上や販売にもつながっている」とコロナ下の商機を見いだす。

 

 OEM事業がコロナ禍の影響を受ける中、「ますます自社ブランドの強化が重要になっている」と喜夛輝昌社長(66)。今後は、エルゴスターのランニング靴下のラインナップの充実や実店舗販売の開始、エルゴフィットの海外展開などを検討している。「まずはしっかりブランドを確立して、ファンを増やしていきたい」と力を込める。

 

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