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喜多酒造、喜多社長ーコロナに立ち向かう(3)

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メインブランドの日本酒「御代菊」を手にする喜多社長=橿原市御坊町の喜多酒造

 江戸時代中期の享保3(1718)年に創業した橿原市御坊町の老舗酒造会社「喜多酒造」。日本酒の販売先である地元のホテルや居酒屋がコロナ禍の影響を大きく受け、同社も余波にさらされている。苦境の中、アフターコロナを見据えて新規の個人消費者を開拓するために始めたのがSNSでの情報発信だ。

 

 同社は同じ橿原市内の各ホテルに日本酒を卸し、レストランのほか、団体などが開く会合で好評だったが、コロナ禍で宿泊客は激減し、会合もゼロに。県外の得意先である大阪の居酒屋でも、営業時間の短縮などで販売量は大きく落ち込んだ。

 

 同社の喜多整社長(52)は「会社全体の年間売り上げはコロナ前と比べ3割ほど減った。そのうちの半分近くがホテルや居酒屋などへの売上減が占める」と話す。

 

 一方で、スーパーやネット通販を通じた個人消費はあまり減らなかったという。

 

 そこで、新規の個人消費者の開拓に力を入れようと、写真共有アプリ「インスタグラム」で今年1月に公式アカウントを開設した。

 

 インスタグラムでは、新商品の紹介や日本酒の製造工程などを掲載している。喜多社長は「タイムリーな情報を発信することで、たくさんの人に自社の日本酒を知ってもらえれば」と狙いを語る。

 

 徐々にフォロワー数も増えているといい、認知度アップに一役買っているようだ。

 

 「コロナ禍をきっかけに物づくりの基本への思いを強くした」と喜多社長。「自分たちがどういう日本酒を造りたいのかという原点に立ち返り、消費者に納得してもらえるものを造っていきたい」と力を込める。

 

 新たな取り組みは今後も続く。持続可能な循環型社会の実現につなげたいと、自社の日本酒の空き瓶を回収して再利用するプランも計画中だ。ほかにも「酒米や製法などオール奈良の日本酒の種類も増やしていきたい」と意気込みを語った。

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