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週末、28日まで明日香村で行われている…

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 週末、28日まで明日香村で行われている国宝高松塚古墳壁画修理作業室の公開に参加。数年ぶりに「飛鳥美人」たちと再会した。

 

 壁画はカビなどがほぼ除去され、2007年に古墳から取り出された直後に比べると格段にきれいになっていた。10年におよぶ修復技術者らの努力がしのばれる。

 

 発見当時の壁画を知る人は「ぬれたようなしっとりとした鮮やかさだった」という。しかし、修理作業室はカビなどの発生を考慮して湿度を抑えた環境にあり、かつての「ぬれ色」の感じることはできない。

 

 乾燥のためか全体的に色が薄れ、壁画が描かれたしっくいも粉っぽく感じられた。壁画は1300年間で最も乾燥した環境にあるが、土台の石材も含め影響が危惧される。

 

 また、壁画は現在、年4回各1週間の期間限定で公開されているが、毎回、応募多数でかなりの高倍率の抽選となっている。壁画への影響を考慮した上での公開だが、もう少し門戸を広げられないだろうか。

 

 壁画を古墳に戻すめどは付かず、いまだに安住の地も決まらない。飛鳥美人たちへの心配は今も尽きない。(法)

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