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奈良県天理市の「マバカ古墳」を調査 前方部の裾の一部を確認 形状解明へ新たな手掛かり

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少なくとも2段積んだ状態で見つかった葺石の基底石=8日、天理市萱生町・成願寺町のマバカ古墳

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 初期ヤマト王権の成立過程を知る手掛かりとして重要視される古墳群の一つ、大和(おおやまと)古墳群に位置する奈良県天理市萱生町・成願寺町の前方後円墳、マバカ古墳で、前方部の裾の一部が見つかった。調査した市教育委員会は「古墳の形や大きさを解明する新たな手掛かりを得ることができた」としている。

 

 マバカ古墳は前方部を西に向けた前方後円墳。墳丘は果樹園として利用され、後円部と前方部の間に市道が通るなど、後世に大きな改変を受けている。過去の調査などから全長は推定80メートルほど、築造時期は3世紀後半ごろと考えられている。

 

 市教委は古墳の形状や規模を探るため、2021年度に航空レーザー測量を実施。22年度からは墳丘の北側、後円部と前方部が接続する「くびれ部」の想定位置で発掘調査し、23年度は今年1月中旬から調査していた。

 

 調査区の墳丘側で、わずかにカーブを描きながら東西に並ぶ石、約2.3メートル分を検出した。人の頭大の石が少なくとも2段積まれた状態で残っていた。

 

 1段目の石は前方部の裾に据えられた葺石(ふきいし)の基底石と考えられる。くびれ部は調査区より後円部側にあるとみられ、調査担当の森本雅崇文化財技師は「マバカ古墳の形状を考える上で貴重な発見」と話す。

 

 4日に地元向けの現地説明会を開催した。一般向けの説明会は実施しない。

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