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【速報】貴族邸宅の中心建物か 大規模な宅地利用確認 舎人親王邸跡説も - 奈良・平城京跡

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南北に並ぶ大型の建物跡が見つかった発掘調査区=奈良市大宮町4(市教育委員会提供)

 奈良市大宮町4丁目の平城京跡で、奈良時代前半(8世紀)の大型建物跡4棟が見つかり、同市教育委員会埋蔵文化財調査センターが3日、発表した。碁盤目状に区画された平城京の「左京三条三坊四坪」の北東隅に位置し、建物の配置から四町分の大規模宅地として利用していたことを確認。建物はその中心的な建物だった可能性がある。同地は日本書紀の編さん責任者、舎人(とねり)親王の邸宅跡とみる見解があり、居住者を探る上で重要な成果となる。

 

 発掘調査は1〜3月に実施し、南北に並ぶ大型の東西建物跡4棟を検出した。うち3棟が奈良時代前半、もう1棟は前半から中ごろのもの。場所は左京三条三坊四坪の北と東を区画する条坊道路の交差点想定位置付近に当たり、建物の配置から四町分を一体として利用していたことが分かった。4棟のうち最大の建物は宅地中心の主屋建物と考えられるという。

 

 平城京では東西南北の道路で区画された一辺約125メートルの街区を「坪(町)」と呼んだ。高級貴族には平城宮周辺の複数街区が与えられ、四町宅地を班給されたのは三位以上の貴族に限られた。調査地周辺は過去の調査から四町宅地が推定され、舎人親王の邸宅跡とする説が出ている。

 

 発掘現場はすでに埋め戻され、現地説明会は開かれない。

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