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ОSK日本歌劇団「大阪ラプソディ」開幕 - トップスター楊琳、トップ娘役舞美りら最後の芝居作品

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日本のジャズ誕生100年にちなんで

 ОSK日本歌劇団のトップスター楊琳(やん・りん)主演のジャズミュージカル「大阪ラプソディ」(北林佐和子作・演出)が2月8日、扇町ミュージアムキューブ・CUBE01(大阪市北区)で開幕した。今から100年前の1924年、大阪・道頓堀で日本生まれのジャズ・ミュージシャンが初めてプロとして演奏したとされるのにちなんだ作品。

 

 ОSKをはじめ京都・宮川町「京おどり」など、さまざまな舞台の作・演出を手がける北林のオリジナル作品で、今年8月の「レビュー夏のおどり」を最後に同時退団することを発表している楊と娘役トップスター舞美りら(まいみ・りら)にとって、芝居要素の濃い演目はこれが最後となる。

 

 チケットは12日の千秋楽まで全公演完売しているが、9日14時と18時の2公演をライブ配信する。配信は16日24時までアーカイブ視聴できる。

 

「大阪ラプソディ」より 楊琳(左)と舞美りら 🌸

 

 

逆境と進化の物語

 1923年に発生した関東大震災により、多くの移住者を受け入れた大阪は首都をしのぐ栄華の時代「大大阪」時代を迎える。「大阪ラプソディ」はこの「大大阪」時代から戦中戦後の激動の時代を駆け抜けた人々の逆境と進化を描く物語。

 

 楊の役は「大大阪」時代にジャズと出会った新進作曲家・服部良太郎。昭和の大作曲家・服部良一がモデルではあるが、北林は良太郎を「音楽で日本を励まし続けた架空の人物」として描いた。舞美は松竹楽劇部のダンスの名手・三笠桜子、華月奏は三笠の支援者の貴族・織田雅道をそれぞれ演じている。

 

「大阪ラプソディ」より 楊(中央)、舞美(右端) 🌸

 

「大阪ラプソディ」より 舞美(左)と華月奏 🌸

 

 

栄華から戦争へ

 道頓堀にジャズが鳴り響き、松竹楽劇部のレビューが人気を博した華やかな「大大阪」時代はいつしか終焉を迎え、日本は戦争へと転がり落ちていく。レビューの演目も日に日に戦時色が増して…。

 

「大阪ラプソディ」より

 

 混乱の中、三笠の姿は道頓堀から消え、良太郎も織田も戦地へと駆り出されていく。戦後、良太郎は命からがら上海から引き揚げたものの、大阪の町は焦土と化していた。心を病み、新たな音楽をつくれずにいた良太郎の心を動かしたものは……。

 

「大阪ラプソディ」より 楊 🌸

 

 

究極のエンターテインメント

 スタイリッシュな歌とダンスをたっぷり盛り込みつつ、示唆に富むキーワードをちりばめたセリフで重要なテーマを伝える北林作品は究極のエンターテインメント。楊、舞美、華月の充実はもちろん、京我りく(きょうが・りく)、琴海沙羅(ことみ・さら)、真織ひな(まおり・ひな)、桜乃ひとみ(さくらの・ひとみ)、珠凛かのん(じゅり・かのん)の5人もそれぞれが二役を丁寧に演じて大躍進。出演者8人という少人数の緊張感を成長の糧にした。

 

「大阪ラプソディ」より

 

 

「東京ブギウギ」でハッピーに

 劇中では服部良一がОSKとSKDの合同公演主題歌として作曲した「ビロードの夢」や「蘇州夜曲」など服部メロディーの名曲はもちろん、ジャズのスタンダードナンバーによるレビューシーンもたっぷり。ОSK出身の歌手笠置シヅ子が歌い、戦後日本を大いに励ました「東京ブギウギ」ではステージと客席の一体感が最高潮に。

 

「大阪ラプソディ」より 🌸

 

 7日夕、公開ゲネプロを終えた楊と舞美が記者の囲み取材に応じた。舞美は「いろんな要素がギュギュッ! と詰まった作品です。最後は『東京ブギウギ』でハッピーに劇場を後にしていただけたらと思います」、最後の芝居作品への思いを問われた楊は「お芝居作品は確かに最後ではありますが、あまり意識すると、おかしなこだわりを持ってしまうかもしれません。千穐楽が終わってから、ああ、最後だったんだな、って振り返りたいと思います」と、それぞれ話した。

 

※🌸の写真はОSK日本歌劇団提供

 

 

 

【メモ】

「大阪ラプソディ」9日14時公演、18時公演がオンライン配信される。いずれの公演もライブ配信に加え、2月16日24時までアーカイブ配信する。

視聴チケット各3000円(手数料別)の購入で何度でも視聴可。

申し込みは、https://osk-revue.zaiko.io/

問い合わせはОSK日本歌劇団、電話:06(6251)3091

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