奈良地方気象台がイロハカエデの紅葉を報…
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奈良地方気象台がイロハカエデの紅葉を報告して1週間。県立竜田公園はまだ色づき始めのようだが、各名所ではモミジが見ごろを迎えている。
この季節は遠くに望む山裾の彩り豊かな木々、また身近なところでは街路樹などイチョウの黄、ナンキンハゼの赤が目を楽しませてくれる。
ただ奈良公園では近年、このナンキンハゼの繁殖が問題化。春日原始林の植生を乱しているほか、若草山の斜面に拡大、草地景観を一変させる勢いで早期の対策が求められている。
外来種のナンキンハゼが若草山で増え始めたのは2000年ごろ。シカが嫌う樹種のため食害を受けず急速に繁殖。種は鳥が運んだらしい。
見晴らしがきく登山道沿いの草地には背の低い木が生い茂り、風に赤い葉を揺らしている。のどかな景観で切迫感はないが、放置すれば若草山はたちまち赤木山に姿を変えそうだ。
多様な植生とシカや昆虫など動物、そして人の営みが育んできた奈良公園一帯の自然。次代に受け継ぐには、これからも多くの課題と向き合っていかなければと思う。ぼんやり赤い若草山を見上げつつ。(松)