国原譜
先日、香芝市内の古社を訪れた。10年ほ…
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先日、香芝市内の古社を訪れた。10年ほど前に来た時、シダレザクラが見事だったことを思い出し立ち寄ってみたが、厳しい現実を目にした。
本殿右のシダレは、少し花がついていたが、左側は全くダメだった。お参りに来た地元の女性は「去年は満開で写真も撮ったのに…」と、残念そうに話してくれた。
樹勢の衰えなのか、病害虫によるものか、原因は分からなかったが、「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき…」(林芙美子)の一節が脳裏をよぎった。「一期一会(いちごいちえ)」の出合いの時を大事にしなければ…と感じた。
「花のサイクル」が10年前と比べて、かなりずれてきている。「○○まつり」といった、花の見ごろに合わせた行事やイベントは、今後ますます「予想の難易度」が上がっていくはず。旅行業者や観光関係者の悩みは深まるだろう。
個人的には、いま田んぼで静かに咲くレンゲソウに心がなごむ。「目立たぬように はしゃがぬように…」という河島英五さんの歌「時代おくれ」のフレーズが頭に浮かぶ。
3日前の4月16日は命日の「桜風忌」だった。(恵)