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国内2例目の壁画古墳、明日香村のキトラ…

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 国内2例目の壁画古墳、明日香村のキトラ古墳を発見した上田俊和さんが今月8日、他界された。奇しくもキトラで最初に確認された壁画「玄武(げんぶ)」の発見から40年の節目の翌日だった。

 

 上田さんは明日香村の歴史愛好家グループ「飛鳥古京顕彰会」の一員として古墳などの調査や保存に尽力。「飛鳥美人」で有名な国内最初壁画古墳、高松塚古墳の発掘にも携わった。

 

 「現在の『考古学の飛鳥』があるのは、上田さんの陰の努力のおかげ」。キトラ古墳の調査を行った猪熊兼勝・京都橘大名誉教授は、長年の「盟友」をしのんだ。

 

 そんな上田さんにとって、両古墳の壁画劣化は痛恨の極みだった。キトラは壁画が剥ぎ取られ、高松塚に至っては壁画が描かれた石材が古墳から取り出されてしまった。

 

 「耐えられんわ」。高松塚から最後の石材が取り出されたあと、上田さんはさびしそうにつぶやいた。

 

 取材では、いつも高松塚やキトラの発掘の思い出を楽しそうに話してくれた。天国でも高松塚を発掘した故・網干善教関西大名誉教授らと、飛鳥の古墳の研究を続けているだろう。(法)

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