先日、幹部らが自家用ジェット機で墜落死…
先日、幹部らが自家用ジェット機で墜落死した民間軍事会社「ワグネル」。その名はドイツのオペラ作曲家ワーグナーに由来するといわれる。
ワーグナーは癖の強い人で、反ユダヤ主義思想の持ち主。作品は愛国心に訴える内容が多く、ナチス・ドイツの独裁者ヒトラーはワグネリアン(熱烈なファン)であった。
勇壮な「ワルキューレの騎行」の音楽は、ベトナム戦争を描いた映画「地獄の黙示録」(1979年)で爆撃のシーンに使われたのが有名だが、実は日本の戦時ニュース映画にも同様に登場していたのだ。
ワグネル共同創設者の元軍人がナチス・ドイツに傾倒していたとされる。ただし、ワーグナーの音楽自体に罪はなく、西洋音楽の一つの頂点ともいえる美しさがある。
と弁護するのも、筆者が日本ワーグナー協会会員であるからだ。この団体は物騒な政治的思想はまったくないワグネリアンの集いである。
先月、名古屋市で上演された「ローエングリン」はオケと合唱がプロでなくアマチュア。熱演を聴いて、「ワグネル」などに関与されない平和の尊さを思った。(栄)