年賀状を出すのを終わらせる「年賀状じま…
年賀状を出すのを終わらせる「年賀状じまい」が広がっているという。新年のあいさつをSNS(交流サイト)やメールで済ませる人が増え、年賀状の発行枚数は約20年前から6割以上も減っている。
私事で恐縮だが先月、父を亡くした。葬儀は身近な親戚だけで済ませたが、父の友人や知人にも知らせなくてはならない。
しかし、生前の父と誰に知らせたら良いのか話し合ったことがなく、連絡先もわからず途方に暮れた。唯一の手がかりとなったのが、父へ送られてきた年賀状だった。そのすべてに年賀状欠礼のはがきを送り、父の他界を知らせた。
社交的といえなかった父だが、毎年数十枚の年賀状が送られてきた。父と同年配と思われる人もいれば、孫ほど年齢が離れた若い人もいて「どんなおつきあいをしていたのだろう」とはがきを書きながら思いを巡らせた。
大半は年賀状だけのつきあいだっただろう。それでも、少なくとも毎年1回、多くの人が父を思い出してくれたと思うと胸が熱くなる。
年賀状のありがたさが身に染みた。来年の年賀状の受け付けはきょう15日に始まる。(法)