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今の拍手より後の喝采を 小山株式会社・小山 新造会長(81)=奈良商工会議所会頭= - 奈良をデザインする人たち(1)

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対談する小山氏(右)と村内氏=奈良市大森町の小山

 奈良の経済人に経営論や奈良への思いなどを語ってもらう連載「奈良をデザインする人たち」を始めます。聞き手は、地域のリーダ育成に取り組む「奈良地域デザイン研究所」(奈良市在住、大阪経済法科大学客員教授)の村内俊雄理事長が務めます。子どもの頃の思い出など、横顔も紹介します。全6回。

 

 

―小山株式会社の紹介をお願いします。

 

 小山 1893(明治26)年に創業し、貸し布団業から始まりました。現在は、一般用の寝具リース事業、医療機関用の寝具・衣料等リース事業、介護関連事業を全国で展開しています。

 

 近年、新たにサイバー事業部を立ち上げ、お客さまの課題を解決するITシステムを提供しています。

 

―どんな経営論をお持ちですか。

 

 小山 顧客第一主義でクレームや意見を集め、「どうすればお客さまに喜んでいただけるか」「そのために内部をどのように変えていく必要があるのか」を実践しています。

 

 あらゆる人が見ていることを意識し、今の拍手よりも後の喝采を求める経営者でありたいと思っています。

 

―小さい頃の思い出は。

 

 小山 4歳の頃から父親の趣味で能をやっていました。高校の演芸会のほか、興福寺・春日大社で行われる「薪御能(たきぎおのう)」でも舞を披露したことがあります。

 

 どんなに緊張していても、舞台に上がったら演技をするしかなく、度胸が付きました。そのおかけで、経営者になった今も、心配性にならずにすんでいます。

 

―小さい頃の夢は

 

 小山 感激するたびに、その職業に就きたいと思っていました。ヘリコプターのパイロットに憧れたことや野球選手になりたいと思ったこともあります。一つに絞った夢というのはなかったように思います。

 

―今までに一番感動したことは。

 

 小山 小学校低学年の時に初めて東京に連れて行ってもらい、皇居を見た時でしょうか。植栽の手入れがとても行き届いていて、感動しました。

 

 その道中、特急電車の食堂車でジュースのバヤリースオレンジを飲んだこともよく覚えています。すごくおいしかったからです。

 

―奈良への思いは。

 

 小山 開催を来年に控えている大阪・関西万博は、たくさんの人に奈良に来てもらう絶好の機会です。県内に一泊して、奈良市だけでなく県中部や南部にも足を運んでもらえるよう、観光PRをしていく必要があります。

 

―今の社会への提言は。

 

 小山 凶悪な事件が多発しており、教育が一番大事だと改めて実感しています。「やっていいこと」と「やってはいけないこと」を子どもたちにしっかりと教える必要があります。ビジネスマナーを含め、会社内での社員教育も重要です。

 

―ありがとうございました。

 

 

<ひと言>

 

「人の大切さ伝わる」

 

 業歴131年の寝具リース会社で業歴も古くIT技術を融合してさまざまな業務の多角化を進め、業界のリーダー的存在です。会長である小山さんも奈良への思いは強く奈良の経済を引っ張ってこられています。組織の継続における人の大切さが伝わってきました。(村内理事長)

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