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開幕間近 J2昇格へ意欲「今オフの補強は90点」 - 奈良クラブ代表取締役社長 浜田満氏に聞く

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株式会社奈良クラブ代表取締役社長 浜田満氏に聞く

 

奈良クラブの飛躍かけて2024年度戦略

 フリアン体制4季目の今年、奈良クラブの戦力と展開はどのように構築されているのか、そしてサポーターや地元経済への影響は? 奈良クラブの飛躍をかけた2024年戦略について、浜田満社長にその構想をうかがった。

 

 

今季の戦力と目標

―J3での2年目を迎えました。チームの戦力は?


浜田 今シーズンの目標は、J2に昇格できるチームづくりです。フリアン監督が就任してから、毎年土台となる戦力は残しつつ、弱点である部分をピンポイントで補強していくという手法を取っています。


 JFL時代はなかなか思うように補強もできなかったですが、奈良クラブに来たいといってくれる選手も増えてきています。Jリーグにあがり、これまでと比べ他クラブからオファーが来る選手もたくさん出てきましたが、一方奈良クラブからも他クラブへオファーを出して、取りたい選手を取りに行くという方法を取っています。


 今季は多少コストがかかっても、J2に昇格するために積極的に動きました。その結果、今オフの補強を採点すると、90点ぐらいだと言えると思います。ただ、プレシーズンの練習試合でエースストライカーの酒井達磨選手が全治8~10か月の怪我をしてしまい、その部分の追加補強が出来ていない部分は気がかりではあります。夏の補強期間に追加補強に動きますが、それまでは他の選手が一致団結して酒井選手の穴を埋めてくれると信じています。


 フリアン体制も4年目を迎え、毎年積み上げができていると感じています。


 チームというのは多くのお金を使うと一瞬で強いチームを作ることができることもあるのですが、そういう方法で作ったチームは往々にして一瞬で崩れます。一方、徐々に積み上げられているときは強固であり、なかなか崩れません。奈良クラブは爆発力はなくても、崩れないチームを目指しています。経営部分に目を向けても、一気に売上を増やすのではなく、毎年10〜20%ぐらい売上を積み上げていくという手法を取っています。2024年1月期は4億前後の売上で着地する予測ですが、2024年は4・5~4・8億ぐらいを目指しています。というのも、無理して売上増を狙うと、スタッフやマネジメントが機能しにくくなり、結果的に成長しにくくなってしまうからです。

 

 

地域に根差したチームづくりで社会貢献

―奈良クラブを支えるスポンサーやサポーターの動向は?


浜田 スポーツも企業経営と同じで、地域社会に浸透し、その支持と支援がなければ展開できません。奈良県内の自治体と連携協定の締結を進め、地域との交流を深めていきます。サポーター、地域のファンの輪も広がりを見せ、昨年より充実してきています。観客動員数の関係もあるので、よりいっそう地域に密着し、地域に根差したチームづくりに取り組んでいきます。この点は選手も一丸になって取り組んでおり、県内の駅などでチラシを配布してPRするなど、地道な活動も行っています。ふれあいを大切にしていきたいと考えています。

 

―奈良クラブとして奈良県経済への波及効果や貢献について言及しておられますが、現状は?


浜田 奈良県の経済全体を浮揚させるというレベルにはいっていないと思います。ただ奈良県の経済はこれまで観光がメインであり、ほかに目玉になるものがありませんでした。観光も悪くないですが、スポーツイベントは多くの人を動員することができるので、その効果は大きいのではないでしょうか。


 試合の他では、ナラディーアを合宿・大会などで利用されるケースが増加しています。利用される方は大阪の方が多く、地域経済の考え方では、県外のいわゆる「外貨」を稼いでいる形になっています。またナラディーアの利用が増加するとともに、王寺駅からのタクシーの利用、地元・三郷町でのコンビニや店舗の利用客が増加し、売上が伸びています。これは規模は小さいですが、具体的な地域経済への貢献であると思います。試合への応援も含めて、一つひとつ経済効果が出てくればと考えています。

 

 

J2昇格のためにできることを

―今シーズンの展望と課題について

 

浜田 今年はチームをしっかり補強しました。したがってJ2に昇格できるチームという目標について、結果はともかく期待していただいていいと思います。試合はしてみないと分からない部分があり、とにかく現有のチームで全力を尽くすことが大切です。それと同時にサポーターやファンはもちろん。県民の皆様もぜひロートフィールドに足を運んでいただいて、現地で観戦していただき、応援していただければと思います。


 ちなみに奈良クラブは昨シーズン、失点は32とリーグ最小で、得失点差の+13も鹿児島に次ぐリーグ2番目でした。またアウェイでは10勝6分3敗と大きく勝ち越しました。ただ遺憾ながらホームでは5勝6分8敗と負け越しています。その要因の一つに、ピッチの状態がプレースタイルに影響を与えることがあります。芝の状態が良くなければ、ボールのコントロールが難しくなったり、スピードを出しにくくなります。チーム本来のプレースタイルであるよい立ち位置から、素早くボールを動かして、クロスからゴールを挙げるというプレーを実践することが難しくなります。


 いずれにしても、強化されたチームで精一杯頑張るとともに、よりいっそう地域に密着したチームとして展開していきたいと考えていますので、今シーズンも引き続きこれまで以上のご理解とご支援をお願いします。

 

信貴山朝護孫子寺(平群町)で必勝祈願

 

2024年2月18日付奈良新聞に掲載

 

 

 

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