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写真と万葉歌がコラボ 2月24日まで奈良で企画展 写真家・井上博道さんの作品に奈良大学生が現代語訳した歌を添える

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万葉歌を通してコラボした井上博道さんの作品と奈良大学国文学科の学生ら=奈良市中登美ケ丘2の井上博道記念館

 写真家井上博道さん(1931〜2012年)の作品と、奈良大学国文学科の学生が現代語訳した万葉歌がコラボした企画展「奈良万葉―井上博道が表現した万葉歌の世界―」が、奈良市中登美ケ丘2丁目の井上博道記念館で開かれている。2月24日まで。

 

 井上さんは万葉歌ゆかりの地の作品を多く残し、代表作の一つに全6巻のシリーズ写真集「奈良万葉」(光村推古書院)がある。企画展は万葉歌の理解につなげてもらおうと、記念館が奈良大に呼びかけて実現した。

 

 鈴木喬准教授(上代文学)のゼミ生有志16人が同写真集から作品を1点ずつ選定。その写真にふさわしいと思う万葉歌も選び、それぞれの感性で話し言葉に近い現代語訳を付けた。会場では現代語訳と解説のリーフレットを参考にしながら、井上さんの作品を鑑賞できる。

 

 3年生の高橋若加乃グレースさん(21)は井上さんの作品「水上池 朝焼け」に万葉歌「中臣郎女(いらつめ)、大伴宿禰(すくね)家持に贈る歌」を選んだ。歌は「女郎花(おみなえし)の生える佐紀沢に花かつみが、ああ、今までにないくらいの恋に陥ってしまったものよ」と現代語訳。さらに「ホンマにえげつないくらい好きになってもうた!!」などと現代風の表現を添えた。

 

 高橋さんは「おしとやかさを装いながら感情をむき出しにした、こちらが引いてしまうほど一途な女性の歌。訳していて楽しくて万葉集をより好きになった」と話す。

 

 企画に参加した3年生の池住虹海さん(21)は「感じたことを文章にする、新しい視点で取り組めた」、近田晴菜さん(21)も「授業とは違う体験で楽しみながら、自分なりの訳ができた」と充実した表情で語った。

 

 木・金・土曜の午前11時から午後5時開館。入館無料。

 

 問い合わせは同記念館、電話0742(43)9111。

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