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錣山親方死去、大和ガス・中井理事長「寂しい。先に逝くとは思わなかった」

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奈良新聞政経懇話会合同例会で「私の相撲人生」をテーマに講演する錣山親方=2019年2月27日、奈良市三条本町のホテル日航奈良

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 日本相撲協会は18日、錣山親方(元関脇寺尾)の福薗好文さんが、うっ血性心不全のため、17日午後8時27分に東京都の病院で死去したと発表した。60歳。葬儀・告別式は23日午前10時から東京都江東区清澄3の6の2、錣山(しころやま)部屋で営まれる。喪主は妻伊津美さん。

 

 錣山部屋は毎年、大相撲春場所で大和高田市に宿舎を構えている。

 

 大和ガス(大和高田市旭南町)の中井隆男理事長(80)は40年以上前、葛城市当麻の老人ホームに慰問に訪れた幕下の寺尾(当時17)と知り合った。まじめで練習熱心な姿にほれ込み、「十両に上がったら化粧まわしを贈る」と約束した。

 

 1985(昭和60)年春、寺尾は十両に昇進。約束どおり相撲好きの仲間と化粧まわしを贈る際、下部に刺繍する贈り主の名前を「何にしようか…」と考えて、「寺尾奈良後援会」と入れたのが、地元後援会の始まりだった。中井さんは後援会長を務め、20歳年下の寺尾は敬意と親しみを込めて「おじき」と呼んだという。

 

 寺尾は2002年秋場所を最後に現役を引退。年寄「錣山」を襲名して自分の部屋を持つと、中井さんは1年目の大阪場所から宿舎や土俵を用意。錣山部屋の力士たちは毎年、大和ガス本社の厚生会館に宿泊し、会社の敷地内に作った土俵で稽古に励んだ。

 

 毎年大阪場所の前後、錣山親方は地元の人に相撲を身近に感じてもらおうと、片塩商店街で「ちゃんこ会」を開催。力士が作ったちゃんこ鍋は長蛇の列ができるほど人気で、親方や力士たちは気軽にサインや記念写真に応じ、地域の人たちとふれあった。

 

 錣山親方は最近、持病の不整脈で体調を崩し、入退院を繰り返していた。中井さんは「苦しかったと思う」と振り返る。

 

 危篤状態が続き、一時、話ができるまで回復した11月、中井さんは東京まで見舞いに駆け付けた。最後の面会では「がんばれしか言えなかった」という。訃報を受け、「自分より20歳も年下。先に逝くとは思わなかった。寂しい」と肩を落とす。

 

 22日の通夜、23日の葬儀・告別式では、葬儀委員長を務め、見送る予定だ。

 

 

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