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テニス・小坂 莉來(こさか りら)選手 - 輝く奈良のアスリート

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全国中学生テニス選手権大会の優勝トロフィーと賞状を手にする小坂莉來選手=香芝中学校校長室

 今夏の全国中学生テニス選手権大会で、県勢として女子シングルス部門の初制覇を果たした小坂莉來選手(15)。これまでも国内外のさまざまな大会に出場し、輝かしい成績を残している。昨年は全日本ジュニアと全国選抜ジュニアで準優勝したほか、インド・ニューデリーで行われたワールドジュニア女子アジア・オセアニア予選大会では日本代表チームの一員として、シングルス・ダブルスの両方で優勝に貢献した。

 

 小坂選手が本格的にテニスを始めたのは小学2年生の時。テニスのコーチをしている母親と先に始めていた4歳年上の姉の影響で、初めは興味がなかったが、見ているうちに急にやりたいと思うようになったという。最初に母親から教わった時に「(技術面などを)しっかり教えてくれる中でも、テニスの面白さを教えてくれたので、すごく楽しく始めることができた」と当時を振り返る。

 

 現在は学校が終わってから京都のLYNXテニスアカデミーに通い練習する毎日で、連日帰宅するのは夜遅くなる。以前はしんどい時や練習に集中し切れない時もあったというが、全国制覇を果たした今は「『今後も勝っていくために』という意識でより集中し、普段から試合を想定した練習を行っている」という。

 

 高いモチベーションの根底にあるのは「いつもサポートしてくれている人たちの期待に応えたい」という思いだ。今年に入ってすぐ、一時期なかなか勝てず、思うようにテニスができなかった時もあった。しかし、母親やコーチがずっと練習に付き合ってくれて乗り越えることができた。また同じクラブに所属し、ダブルスでペアを組むこともある同い年の藤井小夏選手の存在も、互いに多くを話すことはないものの、練習を共にする仲間として、また大会でもよく対戦する相手として、意識しているという。

 

 全国制覇を果たした全中大会の際には香川県まで応援に駆け付けたという香芝中学校の井上直規校長は「静まり返ったコートの中、たった一人で戦っている姿を見てすごいと思った。学校ではごく普通の中学生としてみんなと明るく過ごしているが、大きな舞台で活躍していることなどを見せない謙虚さも、日々大変な努力をしているからこそということが分かる」とたたえる。

 

 「昨年の全国大会での2つの準優勝はとても悔しく、その分今年の全国制覇はすごくうれしかった」と笑顔を見せる小坂選手。また、日本代表として出場した試合で「いつもと全然違う緊張感とプレッシャーの中で、日本を背負っているという感じにわくわくした」という。

 

 そんな経験から定めた将来の目標は「世界の上位で活躍し、誰からも応援してもらえるような選手になりたい」。まずは高校生を含めた大会で全国制覇し、その先で世界を目指す。中学生らしい朗らかな笑顔の中、その眼差しには将来への確かな道筋が映っている。(岩本)

 

 

 

 こさか・りら

 香芝中3年。LYNXテニスアカデミー所属。2022全日本ジュニアおよび全国選抜ジュニア準優勝。2022ワールドジュニア女子アジア・オセアニア予選大会日本代表チームの一員として優勝。2023全国中学生テニス選手権大会で女子シングルス優勝。世界で活躍することを目標にするテニスプレーヤー。

 

2023年10月18日付・奈良新聞に掲載

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