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奈良県知事選 自民分裂、危機感も 「維新の利」を懸念 - 統一地方選2023

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 「何が何でも勝ち抜かないといけない」と訴える高市氏と平木氏(後方)=18日、天理市川原城町の市民会館

平木氏陣営結束

 

 任期満了に伴う3月23日告示の奈良県知事選で、自民党の分裂が深刻度を増している。知事選には元総務官僚の新人、平木省氏(48)と現職で5選を目指す荒井正吾氏(78)が相次いで名乗りを上げ、党県連は平木氏の推薦を党本部に上申した。荒井氏も推薦の申請を取り下げておらず、地方議員や首長も両陣営に分かれて激しいつばぜり合いを繰り広げている。そんな中、知事選には日本維新の会が公認する元生駒市長で弁護士の新人山下真氏(54)も出馬を決め、「このままでは維新を利するばかり」と党内でも懸念の声が強まっている。

 

 「私も一本化を考えてきて、荒井知事に面会も申し入れたが、『会わない』ということだった。もう一本化に向けて頭を下げるという選択肢はございません」。18日夕、天理市で開かれた平木氏の後援会発足総会。立ち見を含め900人以上に膨れ上がった党員、支持者を前に党県連会長の高市早苗衆院議員(県2区支部長)は言い放った。

 

 高市氏は攻勢を強める維新を視野に「平木さんは自分で決意して奈良に帰ってきた。誰が出ようと勝たせよう。そうでないと奈良は大阪の配下に下る。何が何でも勝ち抜かないといけない」と畳みかけ、会場は大きな拍手に包まれた。

 

 平木氏の後援会には県内の自民党国会議員全員が顧問として名を連ね、荒井氏に近いとされる二階俊博元幹事長の派閥に属する小林茂樹衆院議員(県1区支部長)も「このままでは維新に負ける。そう派閥に報告している」と結束の必要性を強調。堀井巌、佐藤啓の両参院議員も「追い付け、追い越せで必ずやり切る」「県民の声を受け止める県政に転換を」と、党を挙げて挑む相手は「維新」と明確にした。

 

 党県議の多くも後援会の幹事に就任。壇上には県内39市町村長のうち、23人(代理者含む)が並んだ。

 

 平木氏は「荒井県政がまいた種を大事にするとともに、未来の投資、成長の投資、安心への投資をしっかり進めていく。財源を国から確保し、幼児保育の完全無償化、高校教育の無償化は必ず実現する」と訴えた。国立大学・県立大学の垣根を超えた総合大学の構想も示した。

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