歴史文化
奈文研飛鳥資料館で七宝製亀甲形飾金具や夾紵棺など調査成果200点紹介
明日香村奥山の奈良文化財研究所飛鳥資料館で、飛鳥地域の令和2、3年の発掘調査の成果を中心に紹介する「飛鳥の考古学2021」が開かれている。12遺跡から出土した遺物やパネル約200点を展示。復元整備が3月に完了する牽牛子塚(けんごしづか)古墳の特集展示もある。3月13日まで。
飛鳥時代の女帝・斉明天皇の陵との説がある牽牛子塚古墳から出土し、棺を装飾したとされる「七宝製亀甲形飾金具」は見どころの一つ。六角形の金属板に花の模様を描き、ガラス質の釉(ゆう)を焼きつけた繊細な造形が特徴。片が並ぶ「夾紵棺(きょうちょかん)」は、35枚もの麻布を漆で固めながら重ねて仕上げた最上級の棺で、当時の装飾的で美しい棺の外観を想像することができる。