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逢香の華やぐ大和 大和葛城山(奈良県御所市)

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頂上からの眺望満喫

山肌を真っ赤に染めるツツジ

 書家の逢香さんが県内各地を訪れ、四季の魅力を発見する「逢香の華やぐ大和」。今回はヤマツツジで真っ赤に染まる大和葛城山を訪れました。(高橋智子)

 

 

ゴンドラで空中散歩

ロープウエーで葛城山頂を目指した=いずれも1日、御所市の葛城山

 

 5月初頭、葛城山は晴天に恵まれた。「ええ天気!」と逢香さんは期待に胸を躍らせ、ロープウエーの葛城登山口駅からゴンドラに乗り込んだ。

 

 「葛城山ロープウェイ」は、葛城登山口駅(標高324メートル)から葛城山上駅(同885メートル)まで標高差561メートル、全長1421メートルを結ぶ。およそ6分間の空中散歩だ。

 

 四方ガラス張りのゴンドラはぐんぐん昇る。山々に囲まれた市街の眺望、山間に自生するフジやシャクヤクの花を見つけては、逢香さんは歓声を上げた。

 

ゴンドラからの景色に歓声を上げる逢香さん=同

 

山歩きで自然楽しむ

鳥のさえずりが心地よい遊歩道=同

 

 山上は麓より6度ほど低く、「ひんやりしますね」と温度差に驚く逢香さん。昨年整備が完了した遊歩道を進み、自然の中にたたずむ葛城天神社を参拝。草花や鳥の鳴き声に足を止めたり、県外から登山に訪れた夫婦と会話したり、と山歩きを楽しんだ。

 

 のんびり歩くこと約15分。休憩処の白樺食堂を発見し、店のおススメ、クルミ入りのみそだれを塗った草団子(400円)をいただいた。眺めの良いベンチに腰掛けての一服は、味わいも格別。お腹を満たし、頂上まであと一息だ。

 

みそだれを塗った草団子はボリューム満点=同

 

360度の大パノラマ

強風にあおられながら山頂に到着!=同

 

 標高959・2メートルの山頂は風が強く、髪や服を風にあおられながら到達。

 

 「山頂到着! 景色がめちゃくちゃきれいですね…」。頂上に立つと全方位に視界が開け、奈良と大阪の市街や雄大な金剛山、大和三山まで見晴らせる。達成感で疲れも一気に吹き飛び、眺望を満喫した。

 

 頂上の郵便ポストから手紙を出すと、葛城山のロープウエーや滝をデザインした特殊消印が押されるという。

 

 

「一目百万本」自然ツツジ園

山肌を真っ赤に染めるヤマツツジの群生=同

 

 頂上の南側では、「一目百万本」と言われる約15ヘクタールの自然ツツジ園が広がっていた。ヤマツツジを中心に、コバノミツバツツジ、ミヤコツツジ、モチツツジが自生する。

 

 「一面のツツジ、真っ赤です! 華やぎまくってますね〜」と逢香さん。

 

 国民宿舎葛城高原ロッジによると、ツツジはもともと葛城山に自然群生していたが、それを覆っていたササや竹が枯れたことで1970(昭和45)年に発見。赤く染まる山肌を山火事と間違えたという逸話も残る。今年は例年より5日ほど開花が早く、見頃は5月中旬まで。

 

 

 逢香さんはこの日、春の葛城山の魅力を1日かけて体感。夏は納涼、秋はススキ、冬は樹氷や霧氷―。四季折々の表情があり、ロープウエーや多様な登山ルート、ロッジやキャンプ場で泊まりがけでも楽しめることから、幅広い年代が訪れている。

 

 ※5月1日に取材時、ツツジは五分咲き。12日現在、満開を過ぎ、少しずつ散り始めている。価格は全て税込み。

 

 

猿回し 竹馬の芸を上手に披露

竹馬の芸を披露したニホンザルの貫太郎くん(右)=同

 

 白樺食堂裏の展望デッキでは、自然ツツジ園の観光シーズン中、伝統芸能の猿回しを実施していた。

 

 穏やかな性格のニホンザル、貫太郎くん(2)は、1週間前にできるようになったという竹馬の芸を披露。上手にできたご褒美に、小さな椅子に座って休憩する姿も「かわいい〜!」と逢香さんは拍手を送った。

 

 貫太郎くんは猿回し師の土井怜二さん(23)とコンビ「猿楽(さるがく)」を組み、普段は道の駅神戸フルーツ・フラワーパーク大沢内の神戸モンキーズ劇場で活躍している。

 

 

逢香の目

赤いツツジを描き「紅山々」と揮毫した

 

 山肌一面に咲くツツジをぼかしの技法で色鮮やかに描き、「紅山々(あかさんさん)」と揮毫(きごう)した。

 

 逢香さんは「ツツジで赤一色の景色や背景の山々、おサルの真っ赤なお顔もかわいくて、草団子に塗ったみそも赤。赤が続いたので、この言葉にしてみました」と解説。

 

 美空ひばりさんの名曲とかけてみたと言い、そのメロディーで「あか、さんさんと…」と口ずさんでみせた。

 

メモ

◆国民宿舎葛城高原ロッジ

 御所市櫛羅2569。葛城山上駅から徒歩約15分。大人1泊2食9500円〜。日帰りで食堂(かも丼1400円など)や入浴(大人500円、小人250円)も利用できる。第4回全国ご当地鍋―1(なべわん)グランプリで優勝した「かも鍋」(4200円)は自慢の逸品。電話0745(62)5083。

 

◆葛城山ロープウェイ

 近鉄御所駅より奈良交通バス停「葛城登山口」下車。葛城登山口駅から葛城山上駅の片道=大人950円、小人480円。電話0745(62)4341。

 

◆白樺食堂

 土・日曜、祝日の午前11時から午後3時まで営業(変動あり)。電話0745(62)5083。

 

◆書家/逢香(おうか)

奈良市在住。奈良市観光大使。奈良教育大学伝統文化教育専攻書道教育専修卒業。2020年、橿原神宮御鎮座130年記念大祭の題字を揮毫(きごう)。同年、元興寺(奈良市、世界遺産)の絵馬の書・画・印デザインを手掛ける。大学時代に個性豊かな妖怪に興味を持ち、「妖怪書家」としても活動。5月21日までの金・土・日曜、大阪市のギャラリー日本橋の家で作品展「妖怪ユニバース」を開催中。

 

 「逢香の華やぐ大和」は奈良新聞社とNHK奈良放送局のコラボ企画で毎月1回掲載。NHK「ならナビ」(午後6時30分~)内で5月16日に放送。

 

 

 

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