生駒の竹を有効利用 和のモチーフアクセサリー - SALON de POLIN(サロンドポリン) 伊藤美穂さん
今年7月、フランスで開催されるジャパンエキスポに、生駒市在住のグルーデコ講師、伊藤美穂さん(42)が自身の作品とともに出展する。作品は「BANBOO DECO(バンブーデコ) ー竹のアクセサリー」。
華やかな舞妓さんのBANBOO DECO(バンブーデコ)=伊藤さん提供
土台となる竹に、キラキラと光るクリスタルを散りばめ、華やかな舞妓さんや着物、鳥居など和のモチーフをデザインしたオリジナル作品だ。
主婦から起業し講師に
現在はグルーデコ教室「SALON de POLIN(サロンドポリン)」代表を務める伊藤さん。日本発祥のクラフト技法であるグルーデコとの出合いは10年ほど前にさかのぼる。
子どもが幼稚園に入園するタイミングで「子どもに誇れる素敵な仕事をしたい」と一念発起。
グルーデコは金属などの土台に樹脂粘土をのせ、高級なクリスタルやビーズを使いクオリティの高い作品を仕上げまで通して自身で手がけることができる。
伊藤さんは当時まだ誕生して間もないこの技術に可能性を感じ、講師資格を取得して2015年に自宅サロンを開業した。教室名の由来は自身のニックネームの「ミポリン」からとった。
「ポリン先生」と呼ばれる伊藤さん(左奥)のレッスンの様子=同
生駒の竹×和モチーフで世界へ
徐々に活動の幅を広げ、奈良市内のカルチャー教室や企業セミナーで講師を務める中、自身の作品が掲載された本がジャパンエキスポ主催者の目に留まり、出展が決まった。
竹は茶せんで知られるように生駒市の名産だが、竹林の伐採や整備などの多くはボランティアに頼る面が多く地域の課題となっている。伊藤さんはSDGsの観点からも、伐採後の竹をハンドメイド素材に活用できないか着目。
2021年から生駒市役所の伴走支援「いこま経営塾」に参加し、市や中小企業診断士、金融機関とチームを組みアドバイスを受けながら自身の技法を生かした和の作品作りに着手。
作品の土台に生駒の竹を使い試行錯誤を繰り返し、海外にも訴求できる独自のアクセサリーに仕上げた。パリの出展ではワークショップも行う。
伊藤さんのBANBOO DECO(バンブーデコ)作品=同
組紐をモチーフにした、BANBOO DECO(バンブーデコ)のバッグチャーム=同
表情が愛らしい、BANBOO DECO(バンブーデコ)のフレンチブルドッグ=同
伊藤さんは「市や皆さんとの学びの中で伐採も体験し、竹林整備の重要性を改めて感じた。地元の竹をアップサイクルする形で、新しい価値を広く伝えたい。作品を手にした方からは『竹が土台だと軽くて丈夫。自然のぬくもりも感じる』との声を頂くことが多い。身近なアクセサリーから、多くの方にSDGsを考える一環としても知ってもらえたら」と話す。
奈良ならではのモチーフも
普段からオンライン教室や催事出展時のワークショップでもグルーデコの普及に務める伊藤さん。金属の土台を使用し、大人の装いにも使えるブローチやネックレスのほか、キュートな動物モチーフの小物や、鹿モチーフの「鹿子ちゃん」アクセサリーも人気。関東からもオーダーがある。
2023年の新作「Bloomish」。由来は「これまでの努力の種がパッと咲き誇ってほしい」という思いから=同
大人かわいい、動物モチーフのBANBOO DECO(バンブーデコ)=同
ブローチの鹿子ちゃんは、竹の土台にしたことで自然な温かみが。奈良以外でも人気のモチーフ=同
伊藤さんの作品は、高島屋堺店(大阪府堺市)できょう16日から開催中の「手作りワークショップマルシェ」でも見ることができる。ワークショップあり(事前予約制)。21日まで。
◆高島屋堺店「手作りワークショップマルシェ」5階催事場
2月16日~21日 伊藤さん来店は▽17・19日午前10時から午後2時▽19・21日午前10時から午後5時
※本催事のワークショップ作品は、竹の土台を使用しないフラワーネックレス「Bloomish」やリング等を予定
※ワークショップ時間詳細を含む、SALON de POLINの最新情報:https://www.instagram.com/salondepolin/
◆ジャパンエキスポ
2023年7月13日~16日 パリ・ノールヴィルパント展示会場にて
和のモチーフ×竹素材のアクセサリー販売、およびワークショップ実施
「奈良新聞を見た」と伝えて予約された方に、体験レッスン代を500円割引(通常3500円を3000円に)。2月中に予約完了した方が対象。予約は直接伊藤さんへ。
教室情報
<教室名>
SALON de POLIN(サロンドポリン)
<代表名>
伊藤美穂(イトウミホ)
<住所>
奈良県生駒市白庭台4
<電話>
<メール>
<公式instagram>