岸田文雄首相の在職日数が田中角栄元首相を抜いて戦後9位になったという。長ければいいというものでもないが、後世にどう語り継がれるのか。

　今太閤や角さんと親しまれたが、金脈問題で退陣し、ロッキード事件で逮捕された。そんな角栄氏だが、演説のうまさや行動力など、近年では再評価されている。

　列島改造論はインパクトがあったし、自身の選挙区である新潟への新幹線もいち早く開業させた。角栄氏の一声で、何事も決まった時代だ。

　いわゆる文春砲の走りともいえる月刊誌の「文芸春秋」が「田中角栄研究」で金脈問題を追及し、結局は総理の座を退陣した。それでも角栄邸への訪問客は途切れなかったという。

　今、岸田首相は裏金問題で苦境に立たされている。党内の他の派閥のことだという認識なのか、甘過ぎる気がする。内閣と政党支持率がそれを示している。

　参院予算委員会で、政治資金収支報告書の修正にあたり、「雑所得」として課税されるべきなのに、「納税を促すことは今は考えていない」という。県選出の堀井、佐藤両参院議員はどうしたのか。(治)