東京・羽田空港で海上保安庁と日航の航空…
東京・羽田空港で海上保安庁と日航の航空機が衝突した事故の報道で、久しぶりに「フェイル・セーフ」という言葉を耳にした。
問題が起きたときの対処とか、機械やシステムが故障したときに安全を確保する措置といった意味だろうか。今回の事故で、改めてフェイル・セーフが問われた。
初めてこの言葉に出合ったのは約40年前、大前研一さんの『加算混合の発想』という著書。米国・スリーマイル島原発事故(1979年3月)がなぜ起きたかを解説していた。
経営コンサルタントとして知られる大前さんだが、当初は原発設計技師だった。安全設計の思想は、徹底して教え込まれていたという。
中に「事故時の操作員が狂気になる」という記述がある。「前例もなく、想像もつかない」事態の例ということらしい。要は、人間は時にとんでもないことをするものだと言っている。
それはそうだとしても、原発については既に東日本大震災での事故を見た。今回の能登半島地震は、さらに原発を問い直す事態ではないか。フェイル・セーフや安全設計とは異なる課題と思えるのだが。(北)