国原譜
古代の仏教説話集「日本霊異記」には因果…
関連ワード:
古代の仏教説話集「日本霊異記」には因果応報を説く話が山のように出てくる。生き物をいじめたり無益な殺生をすれば同じような苦しみが、逆に善行はいざいうとき身を助ける。
説話に登場する見かけは僧だが裏で盗人まがいの行いをしていた男の話。塔を建てるためだと集めた金で私腹を肥やし、住まいにしていた寺の塔を壊して薪にしていた。
ある日、熱い熱いと叫びだし、「地獄の火が襲ってくる」と言いながらその日のうちに死んだという。霊異記いわく「善行は天界に知られ、悪行は地獄に知られる」。
元日から説教じみた話で恐縮だが、自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金事件は、全容解明に向けた調べが進む中で年が明けた。
県内では官製談合事件で在宅起訴された三郷町長が仕事納めの先月28日に辞職を表明、自らの行いを「罪と認識していた」という。さぞ寝覚めの悪い日々だったことだろう。
竜は天に昇り、雨を降らせるという。今年は辰(たつ)年。地獄の耳を恐れるより、空かける竜の背に乗せて、たくさんの善行が天界に届く年にと願う。(増)