国原譜

人の原稿ばかり見るデスク仕事が長いから…

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 人の原稿ばかり見るデスク仕事が長いからか年のせいか、メモを取るのがこんなに大変だったかと思うことがある。

 

 たまの取材ではペンを走らせると耳働かず、耳が働けば手が動かずといった具合だ。もっとも元来の悪筆で、取材ノートを見た人から「速記ですか」と聞かれたことも一度ではない。

 

 教育者でもある書道家から、へんとつくりのバランスや一画の長さなど、ポイントを押さえれば美しい字が書けると聞いたことがある。自分のものにするには稽古を重ねるしかない。

 

 文字が政務の基本だった平城京では、同じ文字を書き連ねたような「習書木簡」が多数出土している。日々の勤めに欠かせない文字を少しでもうまく書こうと、役人たちが稽古に励む姿が浮かんでくる。

 

 国の文化審議会は先日、ユネスコの無形文化遺産候補に「書道」を申請すると決めた。日本文化の多様性や深みを世界に発信する。

 

 仕事でもプライベートでも文字を「書く」機会は減ったが、そんな社会だからこそ、気持ちのこもった手書き文字が心に響く。もちろん美しいに越したことはない。(増)

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