「あなた任せ、人任せのまちづくり」。かつて故中本幸一・元生駒市長は、同市の発展をやや自嘲気味に評した。同市は昭和40年代、大阪のベッドタウンとして急速に発展したが、主な要因が他府県の民間業者による住宅地開発だったからだ。

　4月1日現在の県推計人口が、38年ぶりに130万人を下回った。県の人口は1999年の144万人9138人をピークに減少に転じている。

　人口減は少子高齢化が急速に進む県南部が著しい。県外から人口流入が多かった生駒市をはじめ県北部も頭打ちとなり、緩やかに減少している。

　人口は地方自治体の力を計る目安の一つ。人口減の問題は本県だけに限らず、国全体で少子高齢化が進むなか、地方自治体同士で人口の奪い合いが始まっている。

　本県は県外就業率が高く、大阪をはじめ近隣府県への経済的な依存度が高い。若年層を中心とする人口流失を防ぐためにも、「ベッドタウン体質」を脱却し経済的な自立が求められる。

　経済振興に不可欠な企業誘致のためには、より魅力的な施策が必要。「人任せのまちづくり」ではいけない。(法)