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国原譜

元大阪市長が「つまらない」と酷評した日…

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 元大阪市長が「つまらない」と酷評した日本古典芸能の一つである文楽。何の予習もなく初めて舞台を観賞した。結果は元市長と真逆の「面白過ぎる」である。

 

 国立文楽劇場(大阪市)の新春公演(25日まで)は、奈良ゆかりの演目がそろっていたので、話のタネにと出掛けた。東大寺の「良弁杉由来」と吉野が舞台の「義経千本桜」。

 

 腰が抜けるほど驚嘆したのは、人形遣いの練達の技によって魂が込められたかのような人形の動き。人間の持つ微妙な感情が結晶化、純化されたかのようだ。

 

 世界に人形劇は数多いだろう。しかし、語り手である太夫、三味線弾きと一体となった文楽ほど高度で深い表現のできる人形劇は他にあるのだろうか。

 

 あらすじを読んで、舞台上の字幕スーパーを見れば、江戸時代の言葉遣いもだいたい理解できた。下市町のマスコットにもなっている権太が登場する義経千本桜すしやの段は、巧みな物語構成が光っていた。

 

 初めて出会っただけで、文楽に恋してしまったようだ。食わず嫌いの人は、一度ご覧に。何事も出会いがなけれは始まらないですよ。(栄)

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