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子どもの頃、自転車でたどり着ける範囲に…

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 子どもの頃、自転車でたどり着ける範囲にいくつもの書店があった。いずれも小さな書店だが、一つ消え、二つ消えして今は一つも残っていない。

 

 出版文化産業振興財団の調査によると、書店のない市町村は全国の26.2%に上るという。全自治体に占める書店なし市町村の割合は、奈良県が全国で3番目に高い51.3%だった。

 

 ちなみに1位は沖縄県で56.1%、次いで長野県の51.9%。いずれも半数以上の市町村が書店ゼロの空白地帯となっていた。インターネット注文や電子書籍の普及が背景にあるのは言うまでもない。

 

 実店舗などと言うようになったのはいつからだろう。記憶に残る町の本屋さんには独特の静かさと匂いがあったように思う。ネット書店では味わえない。

 

 奈良市では昨年、約150年の歴史を誇る豊住書店が経営者夫婦の他界で閉店、常連から惜しむ声が相次いだ。

 

 全国の書店数はこの10年で約3割減ったという。書店では目当ての本はもちろん、思わぬ本に出合って手を出すことも多い。店頭に並ぶ本たちの誘惑に身を任せる、そんな時間も大切にしたい。(増)

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