勢いを増すコロナ禍の中、今夏も伝統行事…
勢いを増すコロナ禍の中、今夏も伝統行事の中止や縮小が相次いでいる。踊りの輪が広がり、露店が軒を連ねることもあるハレの日。密集がつきものだけに、運営側は大変だ。
地区ごとの盆踊りが盛んな十津川村が、村内10地区に伝わる盆踊りの動画公開をユーチューブで始めた。「踊れなければせめて雰囲気だけでも」という村の熱意が伝わってくる。
最近は村外の踊り手を受け入れる地区もあるなど、交流が進んでいたが、今夏も含めて4年連続で中止になる地区が大半という。
伝統行事に限ったことではないが、年1回の行事が何年も中断すれば、次に始めるには相当なエネルギーがいる。後継者不足などの事情があればなおさらだ。
県内には世話役の引き受け手がいなくなって消えてしまった伝統行事もある。高所から低い所へ流れる水のように、県内でもコロナ後の再開が難しい伝統行事があるかもしれない。
そんな中、十津川村の取り組みは人々の気持ちと伝統をコロナ後につなぐ。今年は無理でも来年こそ―。公開された動画は盆踊りを愛する村民の気持ちを盛り立てる。(増)