わが家の軒下で、今年もアシナガバチが巣…
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わが家の軒下で、今年もアシナガバチが巣作りを始めた。女王バチが作った小さな巣にいくつもの卵が見え、間もなく働きバチがかえって巣をどんどん大きくする。
働きバチが団子のようになった巣は恐ろしく見えるが、橿原市昆虫館の学芸員だった日比伸子さんの本紙連載を思い出し、そのままにしている。
日比さんは自宅のベランダに巣を作るアシナガバチが人に無関心であること、冬には巣が空き家になることを紹介し、「駆除するのではなく、共存することを考えてはいただけないだろうか」と呼びかけた。
ベランダでも庭でも嫌われ者のハチたちだが、「生きものがいると、結構ほっとするものである」と注ぐ目線が柔らかかった。
日比さんは病気のため4年前に53歳の若さで亡くなり、連載は「虫らしく、人らしく」として3回忌に出版された。
子どもの頃の日比さんは、家族と山に出掛けると、昆虫が一番のおしゃべり相手だったという。夏は虫たちが一番元気な季節。山にはクワガタもカブトムシもいる。虫好きの子どもたちに今年もたくさんの思い出ができますように。(増)