経済

4月の奈良県内企業倒産状況 前月比で負債額が半減 件数は前年同月比3.5倍に

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販売不振が大半

 

 民間信用調査会社2社は24日までに、4月の奈良県内企業倒産状況(負債総額1千万円以上)を発表した。

 

 帝国データバンク奈良支店によると、件数は前年同月比7件(350.0%)増の9件で、前月からは2件(18.2%)減り、2カ月ぶりに一桁台に戻った。負債総額も前年同月比1億4千万円(102.2%)増の2億7700万円。前月からは2億7500万円(49.8%)減り、ほぼ半減した。

 

 負債額別は5千万円未満が7件、5千万円以上1億円未満が2件。業種別は小売業が4件、建設業、サービス業各2件、卸売業1件だった。

 

 資本金別は個人経営が4件、100万円未満、100万円以上1千万円未満が各2件、1千万円以上5千万円未満が1件。従業員別は9件とも10人未満だった。

 

 倒産形態は9件全てが破産。原因別では販売不振が8件、その他が1件だった。

 

 同支店は「円安の影響で北部を中心に外国人観光客の消費が増加しているが、恩恵のある業種は限定的。今後も短期間での大きな景気回復は予想できず、当面は小康状態が続くとみられる」としている。

 

 東京商工リサーチ奈良支店の調べでは、件数は前年同月と同水準の6件で、前月と比べ7件(53.85%)減った。負債総額は前年同月比4億4300万円(72.98%)減の1億6400万円で、前月からも3億1200万円(65.55%)減った。負債総額は3カ月連続で前年同月を下回った。

 

 負債額別は1千万円以上5千万円未満が5件、5千万円以上1億円未満が1件。業種別は建設業、小売業、サービス業他が各2件。資本金別では個人企業他が3件、100万円未満、100万円以上500万円未満、1千万円以上5千万円未満が各1件。従業員別は5人未満が5件、5人以上10人未満が1件だった。

 

 倒産形態は6件とも破産。原因別は販売不振が4件、既往のしわ寄せ、その他が各1件だった。

 

 同支店は「県内では実質賃金のマイナスが続き、内需も低調に推移している。消費が上向かない中で価格転嫁のハードルは高く、コスト高やゼロ・ゼロ融資の返済などで資金繰りが限界を迎えるケースが今後増加する可能性がある」としている。

 

 2社が発表する調査結果は、調査対象や集計時期などの違いで異なる。

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