3月から特別指定選手としてバンビシャス奈良に合流した中谷衿夢が、シーズン終盤のチームに新風を吹き込んでいる。

　ここまでポイントガード(PG)として6試合に出場している。プロ初コートは3月9日のベルテックス静岡とのアウェー戦で、第2クオーター(Q)残り5分25秒からの1分56秒間。出場してすぐに相手からファウルを引き出し、その直後にはアシストで得点を演出した。プロ初得点は同24日の愛媛オレンジバイキングスとのホーム戦。ディフェンスリバウンドからドライブで速攻攻撃を仕掛け、相手ファウルを引き出しフリースロー2本を決めた。小野HCは「オフェンスで良い状況判断ができる」と評価する。ゴール下に力ずくで切り込んで行く姿勢に、「他の選手に良い影響を与えるのではないか」と期待する。　71―42で大勝した同27日のライジングゼファー福岡とのアウェー戦では6得点4リバウンド2アシストと勝利に大きく貢献した。

　3月30、31の両日に行われた、地区首位の滋賀レイクスとの2連戦は連敗を喫したものの、中谷の活躍で流れを引寄せる場面も見られた。自身も「持ち味はドライブ」と話しスピード感のあるオフェンスを見せた一方、粘りのあるしつこいディフェンスが滋賀相手に威力を発揮していた。

　「始めはチームにマッチできていない部分もあったが、練習、試合を重ねるうちに自分のプレーができるようになった」と中谷。滋賀との第1戦では第3Qからの出場で、ディフェンスリバウンドからの速攻など短時間に4得点を上げた。中谷は「自分ならもっと得点できるはずだ。練習から強度を上げていきたい」と意気込む。今シーズン残すは6試合。若い力が勝利を呼び込む原動力となる。(有賀)