奈良市立春日中学校夜間学級を今月に卒業したネパール出身のサポコタ・サガルさん(17)。「日本の高校に進学する」という目標を実現させ、来月、県立法隆寺国際高校総合英語学科に入学する。サポコタさんは「英語を勉強して、日本の文化を学びたい」と話し、「大学にも進学して、得意なプログラミングでIT関連の会社を興したい」と瞳を輝かせる。市教育委員会によると、同夜間学級で外国籍の卒業生が県立高校へ進学するのは、約10年ぶりという。

　サポコタさんは2022年10月、日本でコックとして働いていた父親に呼ばれて来日。「日本で働いている父、母、姉の3人と一緒に過ごせるようになり、うれしかった」と振り返る。

　ネパールでは家族と離れて一人で寮生活を送り、中学課程を終えたタイミングで来日。英語は3歳ごろから習い第一母国語になっているが、日本語は全く分からなかった。来日後すぐに日本語学校に通い、同年12月から同夜間学級の中学3年に編入。午前中は日本語学校、午後は夜間学級に通学し、就寝前には落語を聞いて日本語を学んだ。

　夜間学級では、国語、数学、英語、社会、理解、保健体育など全ての教科に熱心に取り組んだ。大好きな教科は、やはり英語。目標の高校進学に向けて何回も作文を書くなど、入試対策にも力を入れた。校外学習で大阪市の造幣局を訪れ貨幣ができる過程に感動したことが、今も忘れられないという。

　サポコタさんは「高校で日本の友だちをいっぱい作りたい。クラブ活動では好きなバドミントン部に入部したい」と嬉しそうな笑顔を見せた。