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100年の歩み導く「羅針盤」 奈良高の中庭に生徒らデザインの新オブジェ

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完成間近の中庭に「羅針盤」を設置するセレモニーで、最後のパーツをはめ込む大西さん、森川さん、前田さん(左から)=2月29日、奈良市朱雀2の奈良高校

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 奈良市朱雀2丁目の奈良県立奈良高校(前田景子校長)で2月29日、創立100周年を記念して昨夏から整備中の中庭に、生徒がデザインしたオブジェ「羅針盤」を設置するセレモニーが開かれた。直径3メートルの円形の石板プレートで、「新たな100年の歩みを進める指針」として制作。噴水の機能もある。

 

 セレモニーには翌日に卒業を控えた3年生を含む全校生徒と教職員、関係者が出席。オブジェをデザインした生徒3人が最後のパーツをはめ込み、「羅針盤」を完成させた。式典の最後に水が噴き上がるサプライズに、出席者から歓声が上がった。

 

 同校は2022年に同市法蓮町から移転。「新たな奈高の原風景をつくろう」と中庭整備が企画された。卒業生で一級建築士・一級造園施工管理技士の居場英則さん(58)=奈良市=が設計を担当。中庭を二つの焦点を持つ楕円構造とし、一方の焦点に旧校舎から引き継いだ同校のシンボル、プラトンとアリストテレスの銅像、もう一方の焦点に羅針盤を設置した。

 

 羅針盤のデザインは昨年10~11月、居場さんが庭の設計意図などを伝えるワークショップを開いて在校生から募集。2年生の大西雪乃さん(17)、前田悠里花さん(17)、森川夢可さん(17)の3人の共同案が採用された。

 

 3人は「『学問』をキーワードに考えた」と話し、学問の神様・菅原道真が愛した植物で元号・令和の出典に関連するウメの花や、プラトンとアリストテレスを描いたラファエロの名画「アテネの学堂」を彩る「雷紋」などをデザインに取り入れた。

 

 中庭に描かれた「楕円の反射定理」を表す線を羅針盤にも引き込むことで、「奈良高校の生徒がそれぞれの進路を歩んだとしても、プラトンとアリストテレス、すなわち母校へ帰って来る」という意味を込めたという。

 

 中庭は3月中に完成予定。同校の100周年記念事業実行委員会は事業のための寄付金を募っており、卒業生や関係者に協力を呼びかけている。問い合わせは同校、電話0742(71)2477。

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