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残り6秒で3点差 緊迫フリースロー - バンビシャス奈良

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林が外したボールにあと一歩届かなかった笠井=1月28日、ロートアリーナ奈良

 千葉との2戦目は第4Q残り15秒、ムボジのダンクで75―76と1点差に迫ったが、その直後にファウルを出してしまい千葉のフリースローで75―78。その時点で残る時間は6秒。バンビシャス奈良がタイムアウトを取り、それが明けた4秒後、林が3ポイントエリアで相手ファウルを引き出した。残り2秒、フリースローを3本とも決めれば78―78でオーバータイム(延長戦)に持ち込める。

 

 「小野さんがデザインしたプレーとは違う動きになったが、あの場面は『自分で行きたい、行こう』とずっと考えていた」と、林はその瞬間を振り返る。

 

 バンビシャスの過去の戦いぶりから、千葉はアウトサイドを得意とするハインズを警戒してくることが予測された。「(笠井)康平さんとも『相手ディフェンスの形によっては打てるチャンスあるよ』と話していた。自分が行くしかない」と決意したワンショットだった。

 

 林はその試合、第3Qで8本のフリースローを打ち全てをリングに沈めている。ブースター(ファン)の期待も高まった。が、1本目を外してしまった。2本目は決めて76―78。次を決めたとしても1点の負け越しになる。

 

 「残り時間2秒では、ファウルゲームに持ち込んでも自分たちが決められる確率は少ない」。笠井からも「(林)瑛司に任せる」と声を掛けられていた。シュートを外し、リバウンドからリングを狙うしか選択肢はなかった。

 

 林の3本目はリングの前方に当たり勢いよく跳ね返った。林は自分で取るつもりだったが、「思ったより高くなってしまった」ボールは頭上を抜けて行った。そこに笠井が走り込んだが、わずかに出遅れた。

 

 まれではあるが、あえてフリースローを外して次の起死回生の一手に賭ける場合もある。観客からすればエキサイティングな展開で心躍る場面だが、林は「あの場面でプロとして求められるのは3本とも確実に決めて同点に持ち込むこと」と話す。「(フリースローを外してからは)できることはやった。しかし、その前に決めなければならないシュートだった」と、1本の重みをかみしめていた。

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