特集奈良の鹿ニュース

歴史文化

質問「好きなことを仕事にしたら、仕事とプライべートの区別がつきません」 - 「我知(がち)」-お坊さんに聞いてみる(2024年1月18日)

関連ワード:

【質問】

 好きなことを仕事にしています。仕事とプライベートの境目が全くなく、遊びに行っても、仕事目線でさまざまなものを見てしまいます。仕事は楽しいのですが、どこからが仕事で、どこからが趣味なのか曖昧で、気が付いたら、この数年は365日働いている状態です。無理にでも仕事に結び付けないような時間をつくるべきでしょうか。また、プライベートと仕事を区別するにはどうしたらいいでしょうか。

(40代 女性)

 

【回答】

 五條 永教(金峯山寺執行長) 

 

【我知なヒント=仕事と遊びの区別なんて、あればあったで良し、なければなかったで良し、自然にまかせよう!

 

 好きなことを仕事にされているなんて、とっても素敵ですね。ちなみに筆者は僧侶ですが、僧侶になりたくてなったものですから、あえて言うならば、好きなことをさせていただいているということになるのだと思います。

 

 さて、今回のご相談についてですが、まずは、筆者が思うところの結論から申し上げたいと思います。

 

 仕事とプライベートの境目なんて、無理に区別する必要はないのではないかと思います。理由は簡単です。相談者の方が、「仕事が楽しい」とおっしゃっているからです。

 

 楽しいからこそ「気が付いたら、この数年は365日働いている状態」なのでしょう。仕事が趣味なんて、素晴らしいじゃないですか。充実した日々をお過ごしになっているという証だと思いますよ。それだけ打ち込めるほどのお仕事に巡り合えたのですから、本当に恵まれていらっしゃると思います。

 

 「遊びに行っても、仕事目線でさまざまなものを見てしまいます」とおっしゃっていることから考えますと、これはあくまでも筆者の想像ですから解釈が違っていましたらお許しいただきたいのですが、遊びに行くことができているということは、それは、つまりは「仕事」ではなく「遊び」なのでしょう。仕事目線でさまざまなものを見てしまうから、「遊び」の一部分が「仕事」であるかのようになってしまい、100%の「遊び」にならないというお悩みだと、仮にそうであったとします。そのお悩みに対しては、「ぜいたくな悩みであることに早く気付いてください」と、そうお答えしておこうと思います。

 

 「どこからが仕事で、どこからが趣味なのか曖昧で…」とおっしゃっていることからは、どのような趣味かは分かりかねますが、趣味もお持ちのようです。おそらく、この趣味にも仕事を結び付けてしまわれるのでしょう。このことからも、相談者の方が、本当にお仕事がお好きで楽しんでいらっしゃることがうかがえます。

 

 ここで四字熟語に助けを求めることにいたします。【知足安分】です。「知足」とは、足ることを知るという意味。「安分」とは、自分の置かれた境遇に満足するという意味。

 

 今のままで良いのではないでしょうか。好きなお仕事、これからも楽しんでください!

 

 

 

【投稿をお待ちしています】

 

 このコーナーへの投稿は、Eメール:n-soudan@nara-np.co.jpか奈良新聞デジタルの投稿フォーム(QRコード)、ハガキでお願いします。

 質問内容(400字めど)のほか、性別、年代(30代など)、氏名、住所、電話番号を明記してください。掲載は質問内容、性別、年代のみで、その他の項目が公開されることはありません。

 採用は奈良新聞と回答者で判断し、掲載の有無をお答えすることはできません。

関連記事

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド