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「維鶴木工」がDFAアジアデザイン賞大賞を受賞 手作り椅子キットで

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DFAアジアデザイン賞2023で大賞を受賞した維鶴木工の藤川代表(左)と共に喜ぶ水本村長=6日、東吉野村役場

 奈良県東吉野村瀧野の家具メーカー「維鶴(いづる)木工」(藤川拓馬代表)が新型コロナ禍で発売した手作り椅子キット「ドゥー・キット・ユアセルフ」が、DFAアジアデザイン賞2023で大賞に選ばれた。同社初の国際賞。藤川代表(33)は6日、水本実村長に受賞を報告し「吉野ヒノキの良さを海外にも広めていきたい」と話した。

 

 吉野ヒノキを加工した脚と骨、座面を編む紙ひもなどがセットになったDIY商品で、制作時間10時間で高さ46センチのスツールが完成する。重量の軽さと無垢(むく)の木の滑らかさが特長の製品。グッドデザイン賞(2021年)、第8回ナントサクセスロード優秀賞(22年)、ウッドデザイン賞(22年)も獲得。

 

 DFAアジアデザイン賞はNGO香港デザインセンターが03年に創設し、アジア地域の生活の質を高めるデザインプロジェクトを公募、優れた人材や企業を表彰している。今年は大賞10点、金賞19点など計216点が入賞。同キットは最上位の大賞10点の一つで、簡易なDIY商品ながら質の高さが国際的に認められた。同時に日本林業の持続可能性も評価された。

 

 藤川代表は大阪府大東市出身の家具職人で、良質な素材を求めて東吉野村に移住。16年に製麺工場跡を活用して維鶴木工を設立し、吉野ヒノキ、吉野スギの椅子などを生産している。

 

 受賞報告に水本村長は「この小さな村から世界に挑み、認められた家具メーカーを誇りに思う」と喜び。藤川代表は吉野林業の主産地に暮らし、木製品を生産することで「環境保全や地域課題の解決につながる」とし、宿泊型ワークショップなど来年以降の計画や夢を語った。

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