奈良文化財研究所飛鳥資料館で秋期特別展「川原寺と祈りのかけら」 12月10日まで 仏像の断片など140点
奈良県明日香村奥山の奈良文化財研究所飛鳥資料館で、秋期特別展が開かれている。12月10日まで。
川原寺は、7世紀の天武天皇の時代に飛鳥寺や薬師寺、大官大寺とともに四大寺の一つだったが、建立年代など不明な部分も多い。
特別展では、川原寺裏山遺跡から出土した板状の仏像「磚仏(せんぶつ)」や塑像の断片など約140点を展示。大小の「かけら」に見られる繊細な造形や美しい彩色の痕跡から、当時の高い技術を知ることができる。
会場には、破損の少ない状態で見つかった方形三尊磚仏(高さ22・4センチ、幅17・6センチ)のほか、塑像では婦人像頭部(同14・5センチ、同9センチ)、指や耳といった体の一部、菩薩像や天部・神将形の着衣や甲(よろい)の断片などを展示。断片の彩色痕の色料分析を基に制作した推定復元図も実物と並べて紹介している。
同館の浜村美緒アソシエイトフェローは「仏像の衣のひだや文様など、造形も彩色も細かく精巧に作られている。古代の高度な技術の痕跡を間近で見てほしい」と話す。
期間中、館内1階ロビーのカプセルトイ「なぶんけん応援ガチャ」の商品内容も変更。同展の展示品をモチーフにしたピンバッジ(全8種)のどれかが当たる。一回200円(税込み)。
午前9時〜午後4時半開館。月曜休館。入館料は一般350円、大学生200円。70歳以上と高校生・18歳未満は無料。問い合わせは同館、電話0744(54)3561。